徳島県議会 > 1997-06-01 >
07月01日-02号

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  1. 徳島県議会 1997-06-01
    07月01日-02号


    取得元: 徳島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成 9年 6月定例会   平成九年六月徳島県議会定例会会議録(第二号) 平成九年七月一日    午前十時三十八分開議      出席議員計四十名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岡  本  富  治 君     二  番     藤  田     豊 君     三  番     橋  本  弘  房 君     四  番     大  西  章  英 君     六  番     森  本  尚  樹 君     七  番     谷     善  雄 君     八  番     山  田     豊 君     九  番     久 次 米  圭 一 郎 君     十  番     庄  野  昌  彦 君     十一 番     冨  浦  良  治 君     十二 番     樫  本     孝 君     十三 番     来  代  正  文 君     十四 番     猿  瀧     勝 君     十五 番     竹  内  資  浩 君     十六 番     長  尾  哲  見 君     十七 番     福  山     守 君     十八 番     西  沢  貴  朗 君     十九 番     吉  田  忠  志 君     二十 番     北  島  勝  也 君     二十一番     杉  本  直  樹 君     二十二番     佐  藤  圭  甫 君     二十三番     亀  井  俊  明 君     二十四番     遠  藤  一  美 君     二十五番     柴  田  嘉  之 君     二十六番     児  島     勝 君     二十七番     原     秀  樹 君     二十八番     川 真 田  哲  哉 君     二十九番     俵     徹 太 郎 君     三十 番     大  田     正 君     三十一番     榊     武  夫 君     三十二番     平  岡  一  美 君     三十三番     四  宮     肇 君     三十四番     近  藤  政  雄 君     三十五番     湊     庄  市 君     三十六番     木  村     正 君     三十七番     元  木     宏 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     木  内  信  恭 君   ────────────────────────  出席職員職氏名     事務局長     飛  田  昌  利 君     次長       林     祐 次 郎 君     議事課長     河  野  博  喜 君     調査課長     栗  栖  昭  雄 君     議事課課長補佐  渡  部  荘  三 君     調査課課長補佐  森  住  孝  義 君     主査兼議事係長  木  村  輝  行 君     事務主任     島  尾  竜  介 君     主事       香  川  和  仁 君     同        大 久 保     彰 君     同        日  下  栄  二 君     同        谷  本  か ほ り 君   ────────────────────────  出席速記者氏名     速記者      井  上  順  子 君   ────────────────────────  列席者職氏名     知事       圓  藤  寿  穂 君     副知事      滝  沢  忠  徳 君     出納長      折  野  國  男 君     企業局長     杢  保  謹  司 君     審議監      坂  本  松  雄 君     総務部長     三  村     亨 君     企画調整部長   牧  田     久 君     保健福祉部長   松  本     学 君     環境生活部長   須  見  照  彦 君     商工労働部長   塚  田  桂  祐 君     農林水産部長   野  田  浩 一 郎 君     土木部長     桂  樹  正  隆 君     財政課長     平  川     薫 君     財政課課長補佐  市  川  義  博 君   ────────────────────────     教育委員長    高  木  弘  子 君     教育長      安  藝     武 君   ────────────────────────     人事委員長    勝  占  正  輝 君     人事委員会事務局長篠  原  啓  之 君   ────────────────────────     公安委員長    北  野  亮  子 君     警察本部長    小  野  正  博 君   ────────────────────────     代表監査委員   大  和     恒 君     監査事務局長   辰  巳  真  一 君   ────────────────────────  議 事 日 程   第二号   平成九年七月一日(火曜日)午前十時三十分開議 第一 県政に対する一般質問         (四   名)   ──────────────────────── ○議長(俵徹太郎君) これより本日の会議を開きます。   ──────────────────────── ○議長(俵徹太郎君) 直ちに本日の日程に入ります。 日程第一、「県政に対する一般質問」を行います。 通告がありますので、通告の順序に従い、発言を許可いたします。 三十六番・木村正君。   〔長池・中谷両議員出席、出席議員計四十二名となる〕   (木村議員登壇) ◆三十六番(木村正君) おはようございます。 私は、自由民主党・県民会議を代表いたしまして、当面する県政の重要課題について質問をしてまいりたいと思います。 本日は、香港が一世紀半にわたるイギリスの統治を終え、中国に返還される歴史的な記念日でありまして、大きな時代の移り変わりを感じるとともに、私どもも真剣に自己変革に取り組まなければならないと、改めて感じているところでございます。 さて、「光陰矢のごとし」と申しますが、月日の流れるのは早いものでありまして、圓藤県政の一期目もいよいよ最後の議会となりました。この四年間の圓藤県政を振り返ってみますと、知事は官僚時代に培われた幅広い人脈を生かし、新規航空路や釜山とのコンテナ定期航路の開設、鉄道の高速化など、陸・海・空にわたる交通ネットワークの整備に大きな成果を上げてこられました。また、ビジネスサポートセンターの開設や、自治体シンクタンク「とくしま地域政策研究所」の設立、ボランティア推進センター設置徳島環境プランの策定などなど、それぞれの分野において、わずか四年間という短い間に着実に成果を上げてこられました。 しかし、一方におきましては、細川内ダムや吉野川第十堰といった進展が見られない事業もあります。また、社会資本の整備の面においても、まだまだ全国との格差があり、三〇〇〇日の徳島戦略で積み残した事業や高速道路を初めとした道路網の整備、徳島空港の拡張、沖洲流通港湾第二期計画などなど、今後なお一層の進捗を図らなければならない事業もあります。 こうした実績や県政の現状を踏まえ、知事はこの四年間の圓藤県政をどのように総括するのでありましょうか。また、その総括を踏まえ、いかなる構想をもって知事選に臨むおつもりなのでありましょうか。その抱負もあわせてお伺いをしておきます。 次に、国の行財政改革に関連して何点かお尋ねをいたします。 六月三日、政府は、財政構造改革の推進について閣議決定をするとともに、十六日にはこの秋の臨時国会に提出予定の財政構造改革法案(仮称)の骨子が決定されました。これによりますと、二〇〇三年度において赤字国債の発行をゼロにすること、国、地方の単年度財政赤字を国内総生産の三%以内に抑制すること、そのために二〇〇〇年度までの三年間を集中改革期間と定め、この期間中は一切の聖域なしで歳出の削減を進めることとし、主要分野ごとに数値目標が設定されております。そして社会保障や公共投資を初め、十五項目にわたって具体的な改革や歳出削減の方針が示されております。 大きな経済成長が望めず、急激に高齢化が進展する我が国において、五百二十一兆円にも膨らんだ赤字財政をこれ以上ふやし続けるわけにはいかないことは明らかでありますが、この改革が実施に移されますと、自主財源が乏しく、補助金や国の公共事業に頼る本県は大きな影響を受けることが必定であります。また、給付水準の引き下げや負担の増大となって県民生活が圧迫されることも予想され、地方や弱者だけにしわ寄せが来ることが心配されるわけであります。 知事は、六月二十日、政府・与党や関係省庁に対し、四国地方の社会資本整備についての緊急要望を実施するなど、公共事業費の確保に精力的に取り組んでおられますが、知事御自身、このたびの財政構造改革をどのように評価されているのでありましょうか。また、県政や県民生活にどのような影響が出ると考えているのでありましょうか。初めにお伺いをいたします。 二点目は、来年度の県の予算編成についてであります。 知事は、過去三年間、サマーレビュー方式を導入し、夏ごろから予算編成に向けた事業の点検作業を行ってこられましたが、ことしもいよいよその時期を迎えようとしております。来年度予算の編成作業は、財政構造改革に伴う公共事業費や補助金の削減、地方単独事業の抑制等に伴い、これまでの延長線上とは比較にならないほど厳しく、困難なものになると考えるわけであり、職員の意識改革や廃止も含めた徹底した事業の見直しが必要となってくることは明白であります。 知事は既に二月議会において、縦割り方式だけでなく、テーマや政策ごとに横断的に調整をする、いわゆる横割りの予算編成に取り組むことを表明されるとともに、このたびの所信でもその旨を表明されておりますが、この横割り予算も含め、どのような方針のもと来年度予算の編成に取り組むおつもりなのでありましょうか、お伺いをいたします。 三点目は、県の行財政改革についてであります。 県では、これまで、平成七年六月に策定した「徳島県新行財政システム推進大綱」に基づき、組織の再編成や政策立案機能の充実強化、附属機関や外郭団体の整理統合に努めてこられましたが、知事が状況を見きわめる必要があると言っていた国の行政改革については、既に財政構造改革については方針が出されたほか、地方分権や省庁の再編についても、年内にはその概要が明らかになってくるわけであり、県としても、早急に新たな行財政改革に取り組む必要があると思うのであります。 知事は、このたびの所信で、「地方分権型行財政改革を進める必要があり、これを行財政改革に係る行動計画21、「アクション21」と総称して、二十世紀中に全庁的に取り組む」との決意を表明されました。そして3Cプロジェクトとか財政健全化プログラムという具体の方向についても明らかにされたわけでありますが、今後二十世紀中にどのようなスケジュールで県の行財政改革に取り組むおつもりなのでありましょうか、お伺いをいたします。 四点目は、本年度からスタートした新長期計画についてであります。 この計画は、ワークショップという新たな手法を導入するなど、県民の意見や地域の声に十分耳を傾けるとともに、総合計画審議会や各部会における一年三カ月にわたる活発な審議を通じて策定されたものであり、二十一世紀の徳島を「いのち輝く世界の郷」とするために、県民の英知を結集して策定した計画であります。ところが、この新長期計画が、今まさに船出をしようとするとき、国は公共事業を三年間で、いわゆる七・五・三といった計画で一五%も削減する財政構造改革を決定したわけであり、計画の行く手には暗雲が立ち込め、大きな荒波が待ち受けているように思えるのであります。 新長期計画に盛り込まれた事業は、普通建設事業費ベースで約二兆四千億円、総合計画二〇〇一の一兆八千億円に比べ、約一・三倍の増であり、ある程度環境変化を見込んだ控え目なものとなっているようでありますが、本当にこの計画を実行していくことができるのか、心配でなりません。 しかし、こうした中、このほど取りまとめられた五年間の前期推進計画を見ますと、二百四十四項目の戦略プロジェクトについて具体の目標をはっきりさせ、これに向けて諸施策を推進していこうとする積極果敢な知事のチャレンジ精神を見て取ることができ、私の心配が杞憂であったようにも思うのであります。 知事には、新長期計画の実施に向けて、今後ともしっかりとしたかじ取りをお願いしたいわけでありますが、今日の厳しい財政状況を踏まえ、前期推進計画の策定に当たってどのような考えで取り組まれたのでありましょうか。また、今後の必要な財源の確保についてどのような見通しを持って対処されるおつもりなのでありましょうか、お伺いをいたします。 次に、明石海峡大橋の開通に関連して何点かをお伺いいたします。 明石海峡大橋を含む本州四国連絡道路神戸─鳴門ルートは、本州と四国を結ぶ新たな交通の大動脈であり、海上交通に依存する従来の交通体系を画期的に変革するものとして、徳島県民が長年にわたりその完成を待ち続けてきたものであります。はるか未来のことと思っていたこの夢のつり橋が、阪神・淡路大震災にもめげることなく、今、明石海峡の上にくっきりと巨大な姿を見せるとともに、先月十二日には神戸淡路鳴門自動車道及び明石海峡大橋が正式名称に決まりました。そして新聞によりますと、開通日を来年四月五日とすることで最終調整に入っているほか、通行料金についても、垂水ジャンクション鳴門インターチェンジの乗用車クラスで片道七千円前後に落ちつくとの見通しや、七月中・下旬にも、開通日と通行料金が決定するとの報道がなされておりますが、また、けさの新聞では七千五百円という数字も示されております。いよいよ私どもに新しい時代の到来を実感させております。 ところで、この本四架橋を千載一遇のチャンスととらえ、どう飛躍の足がかりとするか、あるいは強力な本州資本にのみ込まれないようにどう対応するのか、それぞれ知恵を絞ってきている産業界にとって一番気にかかることは通行料金であり、その割引制度であると思うのであります。 県は、去る五月、関係自治体とともに、本四公団に対し新たな割引制度の創設を求めるなど、通行料金に関する要望をしましたが、この要望の結果はどのようになると考えておられるのでありましょうか。まず、その見通しについてお伺いいたします。 二点目は、本四道路に対する地方負担についてであります。 高速道路をめぐる経営環境は、近年厳しさを増しており、本四道路についてもその経営環境は厳しく、今後の事業運営について憂慮されていると聞いております。採算確保という面では、何よりも多くの車に通ってもらい、料金収入を高めることが一番であろうと思うわけであります。しかし、昭和六十三年に開通した瀬戸大橋では、利用台数が当初の予測を大きく下回り、今も伸び悩んでおります。神戸─鳴門ルートは、本四三ルートの中で、採算面において最も有利であると言われており、瀬戸大橋のようなことはないと思いますが、それでも近年の経済社会情勢を考え合わせますと、楽観はできないものがございます。こうなりますと、地方に対しましても公的な負担の増加が求められるのではないかということが懸念されるわけであります。 本県は、本四公団に対し、毎年出資金という形で多額の負担をしてきておりますが、今後利用台数の見通しの誤り等から追加出資を要請された場合、県としてどのように対応するつもりなのでありましょうか、お伺いをいたします。 三点目は、明石海峡大橋開通後における影響調査についてであります。 県では、明石海峡大橋の開通による効果を県勢の発展に結びつけるため、平成二年に三〇〇〇日の徳島戦略を策定し、官・民を挙げて交通ネットワークの整備や産業の体質強化に取り組んでまいりました。その明石海峡大橋もいよいよ来年四月には開通する運びであり、三〇〇〇日の徳島戦略の成果が問われようとしております。 ところで、その成果を検証するためには、私は、県内の道路交通量や他の交通機関に与える影響、観光・商業・製造業・流通業・農業などの各産業に与える影響、さらには環境面の影響などについて、明石海峡大橋開通後、総合的な影響調査を実施する必要があると思うのでありますが、その点について私なりに考えを申し上げますと、やはり県としては積極的にこの影響調査を実施してもらいたいのであります。そして、この調査結果を新たな政策に結びつけていただきたいと思うのでありますが、いかがでありましょうか、お伺いをいたします。 四点目は、本四架橋に伴う雇用問題についてであります。 本四道路が全線開通することは喜ばしいことであり、このことを光の部分としますと、この本四架橋により影響を受け、離職を余儀なくされる方々の雇用対策が、いわば陰の部分として大きくクローズアップされてきているところであります。本県は周りを海に囲まれ、海上輸送に大きく頼ってきたわけでありますが、本四道路により海上輸送に影響が出るのは間違いなく、旅客船事業及び港湾事業に従事する従業員や家族の不安には大きなものがあると思うのであります。 先日、県庁で旅客船従業員により座り込みによる県への抗議活動もなされたところであります。全通を間近に控えてこの問題への対応は急がなければならないと考えますが、県として、本四架橋に伴う雇用問題についてどのように対処していこうとしておるのか、お伺いをいたします。 お答えをいただき、質問を続行します。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) まず、四年間の県政運営をどのように総括するのかという御質問についてでございますが、平成五年の十月に、多くの県民の皆様から御支援をいただき、知事に就任して以来、はや四年の歳月を迎えようといたしております。 振り返ってみますれば、県民の熱い期待を背負い、みずからの手で県政のかじ取りを行うという重責を感じつつも、多くの県民の皆様の声援にこたえ、よりよき徳島づくりに向けて、いよいよ船出するんだという高鳴る気持ちを胸に初登庁いたしました日が、昨日のように鮮明に思い起こされます。いみじくも、議員からもお言葉をいただきましたが、まさに「光陰矢のごとし」というのが、今の私の率直な感想であります。 これまでの四年間のみずからの足跡をたどってみますと、私の力及ばず、まだまだ十分とは言えない面はあるものの、議員各位を初め県民の皆様の御支援をいただき、県政運営の重責を私なりに果たし得ることができたのではないかと感じているところでございます。 これまで取り組んでまいりました幾つかの施策について述べさせていただきますと、四国縦貫自動車道の徳島─脇間の供用によります高速道路ゼロメーター県からの脱却、四国横断自動車道の鳴門─小松島間の整備計画への格上げ、あるいは韓国釜山との定期コンテナ航路の開設、札幌・名古屋・福岡・鹿児島といった新規航空路線の開設、東京路線のダブルトラッキング化の実現、徳島空港拡張の第七次空港整備五箇年計画への位置づけ、あるいはまた末広有料道路の無料化など、陸・海・空の交通体系の整備につきましては、明石海峡大橋の開通を目前に控えまして、数年先を見据えたおおよその青写真を描くことができるような状態まで来たのではないかと考えておるところでございます。 また、橘湾火力発電所の着工、赤石大型公共埠頭の整備着工、辰巳工業団地やブレインズパークの完売、西長峰工業団地への企業誘致促進などにおきましても一定の成果を上げることができました。さらには、ボランティア推進センターの設立を初めとしたボランティア活動に対する取り組み、障害者や高齢者の方々にとって住みよいまちづくりを進めるやさしいまちづくりへの取り組み、三歳未満児の医療費無料化など、県民の生活に密着した施策につきましても精いっぱい取り組んでまいったつもりであります。 そして、新しい地方の時代、地方分権の時代を迎えて、自立する徳島に向けて、自治体シンクタンクの設立、ベンチャー企業育成のための支援策、また本県独自の国への政策提言・要望などにおきまして、必ずしも十分ではないものの、私のカラーを打ち出すことができたのではないかと感じている次第であります。 しかしながら、その一方におきまして、議員からも御指摘がありましたように、細川内ダム問題、あるいは第十堰問題など、県民の意見を一つに集約することのいまだできていない課題が数多くあることも十分承知をいたしております。 ただ、知事就任以来、これまでこうした幾多の難しい局面に直面いたしました際にも、決してひるむことなく、正面から取り組み、解決に向けての糸口を見出す、粘り強い努力を重ねてまいったつもりであります。 また、いかなる構想を持って知事選挙に臨むか、その抱負もという御質問についてでございますが、徳島県は国際化や情報化の進行に加えまして、高速道路の整備、来年春の明石海峡大橋の完成などによりまして新しい交流の時代が到来しようとしておりまして、これまでの徳島県の歴史の上で、いまだかつてなかったような大きな変革の時代を迎えようとしております。 このようなときこそ、個性、創造、自立の視点に立って、各地域が持っている特性を生かして、適切な役割を担い、相互に補完・連携しながら各地域が発展することによって、県全体として力強く発展していかなければならないものと考えておるところでございます。 こうした変革の時代に対応すべく、県では、本年三月に、これからの十年間の県政運営の指針となります新長期計画を策定をいたしました。策定に当たりましては、数多くの県民の方々の御参加を得たところでございまして、私がこの計画の基本目標でございます「いのち輝く世界の郷とくしま」を築いていくために、計画に基づいた各施策を強力に推進いたしたいというふうに考えております。 しかしながら、本県を取り巻く情勢は、厳しい経済情勢のもとで、少子・高齢化の急速な進行、国、地方を通じた財政難やそれに伴う公共事業費の削減問題など、極めて厳しいものがあり、計画推進に当たりましては、国に対して、本県のように社会資本整備のおくれた地域への重点的な財源配分を強く求める一方、県みずから独自の行財政改革を積極的に推進するとともに、何といっても県と県民との確固たる協調関係を築いていかなければ、その実現は困難なものと考えております。 私は、これまで力点を置いてきました高速道路、幹線道路、空港、港湾などの基幹的社会資本を目標どおりに整備する一方で、従来ややもすればおくれがちであった分野、すなわち徳島市及び周辺の渋滞対策や中山間地域での道路整備、また下水道整備等によります環境保全対策、さらには観光拠点の整備などを重点的に推進いたしまして、魅力のある県づくりを進めてまいる所存であります。 私は、この四年間、県下各地へ足を運ぶと同時に、数多くの県民の皆様方と触れ合ってまいりました。その中で得ました政治信条を、私は今後貫いてまいりたいと考えております。 それは、「一隅を照らす」ということであります。都市部であろうと、農山漁村であろうと、県下のどの地域に住んでいても、県民の皆様が一定レベル以上の便益を享受することができるような、均衡のとれた県土づくりを進めること。また、高齢者や障害者、子供など、いわゆる社会的に弱い立場の人々が、安心とゆとりを持って暮らせる地域づくりの実現のために、全身全霊を持って当たる決意であります。 このことを通じまして、新長期計画に掲げました「人が輝く、あたたかい徳島」、「産業が興る、力づよい徳島」、「自然があふれる、美しい徳島」、そして「交流がひろがる、にぎわう徳島」の実現を目指してまいりたいと考えております。 今後とも、私自身、県民の皆様の先頭に立ち、「公正・清潔・透明で創造的な政治」、「県民参加・地域の個性重視の政治」、「二十一世紀に花開く発想と実行の政治」を基本姿勢として、引き続き一生懸命、全力投球で県政運営に取り組んでまいりたいと、このように考えているところであります。 このたびの財政構造改革をどのように評価しているのかという御質問についてであります。 我が国の財政は、平成九年度末に、国、地方を合わせた長期債務残高が四百七十六兆円に上るなど、主要先進国中、最悪と言われる状況であることから、政府は、去る六月三日、「財政構造改革の推進について」を閣議決定し、財政健全化目標達成のための推進方策を明らかにしたところであります。 現在の国、地方の財政状況を考えれば、財政再建のための何らかの措置が必要であり、こうした思い切った歳出削減の方策もある程度やむを得ないことであると認識をいたしております。 しかしながら、各地方公共団体が置かれている状況はさまざまでございまして、社会資本の整備率や財政基盤など、地域間の格差が大きい現状のままでの全国一律的な歳出削減は、その格差をさらに広げてしまうことにもなりかねません。とりわけ本県は、明石海峡大橋の完成を間近に控え、本格的な交流新時代の幕あけに向けての総仕上げや交流ネットワークの整備など、新長期計画に盛り込まれた諸施策に全力を挙げて取り組んでいかなければならない、極めて重要な時期にございます。 そういった状況を踏まえまして、先月二十日には、特に公共事業の地域配分等につきまして、私みずからが率先して、四国の各県ともども地域の実情を積極的に国に対して訴え、配慮を求める緊急要望活動を行ったところであります。 今後も引き続き、国の動向を注視をいたしますとともに、あらゆる機会をとらえ、国に対し、本県の置かれている状況を御説明し、立ちおくれた社会資本整備のための公共事業費の確保、地方財源の充実強化などにつきまして積極的に要望活動を展開し、国の財政構造改革が本県に及ぼす影響を最小限にとどめることに最大限の努力を傾注してまいりたいと、このように考えているところであります。 横割り予算も含め、どのような方針のもとに来年度予算の編成に取り組むのかとの御質問についてであります。 国におきます財政構造改革論議の中で、地方財政全般にわたるものとして、公共事業費の抑制、地方財政計画の規模縮減、地方交付税制度、地方債制度の見直し、地方公共団体に対する補助金の整理統合など、地方財政にとって厳しい方針が打ち出されております。 本県財政は、国に依存するウエートが高く、平成十年度当初予算に向けて、今後具体的に示される地方財政措置の状況や制度改正等の状況を十分見きわめる必要がございます。 また、本県は、本州四国連絡道路神戸─鳴門ルートの全線開通を間近に控えまして、その効果を最大限に生かすための諸施策と二十一世紀初頭を目標とする新長期計画を着実に推進することが求められております。そのためには、従来にも増して限られた財源の重点的・効率的配分の徹底を図ることが喫緊の課題でございまして、本県独自の取り組みとして、横割り予算編成方式の導入など、新たな観点も盛り込んだ財政健全化推進プログラムを策定することとし、平成十年度から取り組むべき方策については当初予算編成方針に反映させてまいりたいと考えております。特に横割り予算編成方針につきましては、部局間の連携によります経費の節減・合理化が図られること、また部局間の連携による新規施策の創出、事業進度の調整など、予算の効率的、重点的な配分が図られること。そしてまた、施策推進に当たっての部局間の連携意識の醸成が図られることなどのいろんな効果を期待しておりまして、平成十年度当初予算に反映できるように積極的に取り組んでまいりたいと考えているところであります。 今後、二十一世紀中にどのようなスケジュールで県の行財政改革に取り組むのかという御質問についてでございます。 二十一世紀の社会は、地方が主役を担う、まさに個性、創造、自立に基づく地方分権型社会であるとの認識から、議員御指摘のとおり、県の行財政システムを次代を担う、それにふさわしいものへと早急に改革を進める必要があると考えているところであります。 そのため、新行財政システム推進大綱に基づく実績の上に立って、大綱のもと、行政と民間、国と地方、県と市町村、本庁と出先機関等の役割と機能分担を見直すとともに、相互連携システムの再構築を目指す地方分権型行財政改革「アクション21」を進める決意であります。取り組みの期間は平成十二年度、西暦二〇〇〇年度を目標といたしまして、初年度でございます今年度は3Cプロジェクトに基づき、七月中旬から全庁的に現行一万余件に上るすべての事務事業の総点検を行い、今年度中には早期に措置が可能な事項と、国の地方分権や行財政改革等の動向を踏まえて措置すべき事項とに区分して中間取りまとめを行いたいと考えております。 来年度以降におきましては、中間取りまとめを着実に実施をいたしますとともに、引き続き国における省庁再編を初めとする抜本的な行財政改革、地方分権、財政構造改革等の具体的な内容を踏まえました取り組みについても検討を行い、地域住民の多様なニーズに対応できる柔軟性と機動力のある事務執行体制の確立に向けまして、私自身が先頭に立って力強いリーダーシップを発揮して実施してまいる所存であります。 厳しい財政状況を踏まえた前期推進計画の策定に当たっての考え方と必要な財源の確保についての見通しについての御質問でございます。 県民の意見や地域の声を織り込んだ新長期計画については、県民の皆様の理解と多くの参画を得まして、ぜひとも実現を図っていかなければなりません。しかし、今後予想される厳しい財政状況を考えますと、財政の健全化に向けた取り組みとあわせまして、限られた財源をうまく配分し、重点的に振り向けていく方策が必要不可欠であります。 こうしたことから、前期推進計画では、推進につきまして県民の幅広い理解と協力を得るための具体的な目標として、また重点的な予算配分を行うよりどころとして、まず五年間に実施すべきことを明確にするとともに、戦略プロジェクトにつきまして特に焦点を当てまして、可能な限り具体的な数値目標や年次などの推進目標を掲げまして、戦略プロジェクトの進行管理を的確に行う推進プログラムとしての性格を持たしたところであります。 今後、推進に当たって取り巻く環境は極めて厳しいものが予想されますが、二十一世紀における本県の発展を確かなものとするためには、計画に盛り込んだ事業は是が非でもやり遂げていく必要があり、前期推進計画を基本として全力を傾けていく所存であります。 次に、必要な財源確保の見通しについてのお尋ねでございますが、新長期計画に盛り込んだ事業の投資見込みにつきましては、かつてのような右肩上がりの経済成長と公共投資の大幅な増加が期待できないことを前提に二兆四千億円を見込んでおります。これは全国水準に比べて不十分な本県の社会資本の整備や新長期計画に盛り込んだ新たな事業について、どうしても確保すべき水準として見込んだものであります。 本県の平成七年度、八年度の普通建設事業の投資規模を見ますと、おおよそ二千百億円程度でございまして、これをベースとして投資規模をできるだけ抑制するとの考え方に立って、従来に比べて低い成長見込みや、堅実な投資の伸びを勘案したものでございまして、長期的に見て確保できるのではないかと考えております。 確かに、前期推進計画の期間におきましては、平成十年度からの三カ年間に公共投資予算の大幅な削減による影響が見込まれ、予断を許さない状況にございます。こうしたことから、当面国に向けましては、あらゆる機会をとらえて地方の現状に理解を求め、傾斜配分や重点配分を粘り強く要望いたしますとともに、本県としても徹底した事業の見直しや、中長期の視点を取り入れて、新たに財政健全化推進プログラムを作成するなどいたしまして、計画の実現のために必要な財源を確保してまいりたいと、このように考えているところであります。 本四道路に対する地方負担についてのお尋ねについてであります。 本四事業の財源は、大きく分けまして、財政投融資や民間からの借入金、国・地方の出資金及び通行料金収入から成り立っております。無利子資金でございます出資金は、全体資金コストを一定水準に抑え、事業採算性を確保するために、国及び地方が二対一の割合で負担をしているものであります。この事業採算性について大きなポイントとなりますのが建設費と通行料金収入でございます。本四道路には明石海峡大橋を初めとする長大橋が含まれることから、他の高速道路と比べまして建設費が多額であるという事情がございます。 一方、通行料金収入に大きくかかわります将来の利用交通量につきましては、現在本四公団におきまして通行料金の検討にあわせて見直しを行っているところであります。 建設大臣の諮問機関であります道路審議会から平成九年一月に出されました中間答申におきましては、本四事業が十分な利用交通量に至らず、採算性の確保が厳しい状況にあるとし、償還期間の延長や用地費の償還対象からの除外のほか、国、地方の出資の増大等、適切な対応が必要であるというふうにしております。 本四事業の採算確保のためにどの程度の出資金が必要とされるかにつきましては、通行料金設定と密接にかかわっており、現在本四公団におきまして検討されておりますが、まだ具体的な案は示されていない段階でございます。 本四道路の効果を最大限に発揮し、本州と四国の交流を一層促進するためには、利用しやすい通行料金の設定が肝心でございますが、それと同時に本四事業の採算確保を考慮することも必要であります。今後、追加出資について要請があった場合には、これらを総合的に勘案をいたしまして、関係府県市と連携しながら対応してまいりたいと考えておるところであります。 明石海峡大橋開通による影響調査の実施とその調査結果の新たな施策への反映についてのお尋ねでございます。 これまで明石海峡大橋の架橋効果を最大限に生かすために、三〇〇〇日の徳島戦略を推進をいたしまして、交通ネットワークの整備と産業活性化などに重点的に取り組んできたところであります。いよいよ来年春には明石海峡大橋が開通するわけでありますが、産業面や県民生活、文化などさまざまな面におきまして大きな影響が予想されるところであります。明石海峡大橋開通による架橋効果を、本県にとってより着実で確実なものとするためには、本県にプラスに働く面は積極的に伸ばしていくとともに、マイナス面あるいは懸念される点につきましてはこれを克服していく必要がございます。 このため、議員御指摘のとおり、明石海峡大橋開通後の各分野にわたります総合的な影響調査を実施をいたしまして、これらの調査結果を今後の施策に生かしていくことは大変重要な問題であるというふうに認識をいたしておりまして、今後開通後の状況を見ながら調査の実施・分析を行い、それを各施策に反映してまいりたいと、このように考えているところであります。   (滝沢副知事登壇) ◎副知事(滝沢忠徳君) 本四架橋に伴う雇用問題についての御質問でございますが、本四架橋により影響を受ける旅客船及び港湾関係従業員への対策につきましては、影響の軽減を図ることを目的に、旅客船関係につきましては特別措置法が制定され、また港湾関係につきましては、政府と労働側との間で協定書が結ばれ、それらに基づき所要の措置が講じられることになっております。 また、雇用対策について、運輸局、本四公団、事業者、労働組合及び地方自治体を構成員とする関係者が集まり、協議する場が設置されておりまして、本県もこれに参加して検討を重ね、対策に取り組んでいるところでございます。しかしながら、現在の厳しい経済、社会情勢のもと、離職者の職域開拓、受け皿創出ということは非常に困難なものがございます。 さらに、本四道路通行料金がまだ発表されていないことから、事業者の航路再編成実施計画が明らかになっておらず、そういったことから本四道路の全線開通を間近に控えまして、従業員の方々には雇用不安が先に立っていることと存じます。 本県といたしましても、県が関係するプロジェクトなどの中で雇用創出に取り組むこととしておりますほか、これまでにおきましても、市町村や県内企業に対しまして、本四雇用問題について御理解をいただくため説明会を開催いたしましたり、あるいは直接訪問をいたしまして、受け皿創出への御理解と御協力を要請するなど、できる限りの努力を重ねてきております。 本四連絡道路全通に向けまして残された時間は多くないと認識しており、今後とも、国、本四公団及び事業者に対し、雇用対策に万全を期すよう要請してまいりますとともに、関係府県市と連携しながら本四雇用対策に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。   〔大田議員退席、出席議員計四十一名となる〕   (牧田企画調整部長登壇) ◎企画調整部長(牧田久君) 本四道路の通行料金などについての御質問でございますが、本四道路の通行料金体系は、本四公団総裁の諮問機関でございます経済委員会における検討を踏まえ、本四公団が原案を作成し、建設大臣へ認可申請を行うこととなっております。 こういったスケジュールをにらみ、去る五月十四日には、兵庫県、高知県、神戸市と共同で、本四公団総裁に対し、世代間及び利用者間の負担の公平性を図る観点から現行料金水準を見直し、適切な通行料金を設定すること及び新たな割引制度の創設等、独自の利用促進策の展開を要望したところであります。 本日の新聞記事によりますと、本四架橋三ルートの新通行料金案の概要が掲載をされておりましたが、本四公団に確認をいたしましたところ、「まだ何も決まっていない。鋭意検討中である。できるだけ早い時期に公表できるよう取り組みたい。」とのことでございました。しかしながら、そう遠くない時期に発表されるとの感触を持っており、地方自治体の要望が入れられた料金体系となるよう期待をしているところでございます。 通行料金体系は、本四道路の利用のかぎを握るものであり、県内産業界を初め県民の皆様の大きな関心事でありますので、引き続き情報収集に努めますとともに要望の趣旨が生かされるよう注視してまいりたいと考えております。   〔大田議員出席、出席議員計四十二名となる〕   (木村議員登壇) ◆三十六番(木村正君) それぞれ御答弁をいただきましたが、コメントは、時間が切迫しておりますので省略させていただきますが、いずれにいたしましても知事御自身が決断を持って、そしてみずから先頭に立って職員を率い、県勢発展のために努めていただきたいと思う次第であります。 特に、実績につきましては、知事から詳細に説明をいただきましたが、歴代の知事に比べましても、その四年間の最初の実績は遜色がない、出色のものであると評価いたしております。 その他の事業についても、それぞれ御答弁をいただきましたが、できるだけ県民の立場に立って御努力を願いたいと思います。 質問を続けてまいります。 初めに、高速道路の整備についてお伺いをいたします。 いよいよ明石海峡大橋の開通が間近に迫ってまいりました。県では、明石海峡大橋の開通による効果を県勢の発展に結びつけるため、道路網の整備、とりわけ四国縦貫自動車道の整備に全力を傾注してこられたわけであります。この縦貫道も既に脇町まで開通し、残る脇─川之江間についても、脇─美馬間が平成九年度、美馬─井川池田間が平成十年度、井川池田─川之江間が平成十一年度を目標に鋭意工事が進められております。県西部に参りましても、山沿いには高速道路の威容が出現し、また去る六月十一日には池田─川之江間の新境目トンネルが貫通するなど、いよいよ全通の日が近づいているとの感をひしひしと受けるのであります。 ところで、本年三月三十日、美馬町と香川県の琴南町を結ぶ三頭トンネルが開通しまして、本県に流入する客が急増しているとのことであります。これは本年三月の中国横断自動車道の全線開通により日本海から太平洋に至る交通軸が整備されたことも一つの大きな要因であろうと思うのでありますが、いずれにいたしましても、明石海峡大橋だけでなく、三頭トンネルや中国横断自動車道開通の効果をできるだけ広域に及ぼしていくためには、まずはできるだけ早く脇─美馬間を開通させる必要がございます。平成九年度も四月、五月、六月と既に三カ月が経過しましたが、一体この区間の開通は平成九年度のいつごろになるのでありましょうか、お伺いをいたします。 次に、四国横断自動車道についてでありますが、この道路については平成三年の鳴門─津田間に続き、昨年十二月、小松島─鳴門間が整備計画区間に格上げをされ、私もいよいよ県都を越え、小松島まで高速道路がつながることになったと、大いに喜んでいるところであります。ところが、財政構造改革が決まり、公共事業の抑制が現実のものとなる中、採算性の低い地方の高速道路を取り巻く環境は大変厳しい時代になってきており、特に未着工区間については厳しいものがあるのではないかと非常に危惧をしているところであります。 しかしながら、この道路は四国縦貫自動車道や本州四国連絡道路と直結する道路であり、本県が関西圏の一員として発展を図っていく上においても、また県南地域がさらなる交流と連携を広げていく上においても、極めて重要な道路であります。それだけに万難を排して早期に事業着手していただく必要があると思いますが、先行している鳴門─小松島間の施行命令の見通しはどうなっているのでありましょうか。 また、昨年末に都市計画決定の手続を終了した阿南─小松島間の整備計画区間への格上げの見通しについてもあわせてお伺いをいたします。 次に、ダムと堰の問題についてお尋ねをいたします。 まず、細川内ダムについてでありますが、平成七年度に建設省の「ダム等事業審議委員会」の制度が施行され、県は木頭村長に対し、審議委員会への就任要請を行ってきたにもかかわらず、村長は委員就任拒否が最大のダム反対運動であるがごとく、頑として参加しないため膠着状態が続きました。 この間、細川内ダムを取り巻く最近の状況はますます厳しくなり、国においても、平成九年度予算は、異例とも言える実施計画調査予算への格下げ、国会における亀井建設大臣の「任期中に決着する」との答弁などは、県内でも大変な反響を呼び、阿南市を初めとする那賀川下流域の市町や経済界では危機感を募らせるきっかけにもなりました。今年度に入り、状況はさらに大きな展開を見せ、四月の藤田村長再選を契機に、知事みずからが村長と直接対談し、委員就任要請を行うとともに、委員の人選や国への予算要望など、村長から出された八項目の条件に対しても、「審議委員会の結論が出るまでの間は、国に対し細川内ダム建設推進そのものの要望はしない」などとする回答がなされました。また、難しいと思われていた細川内ダム工事事務所の撤去についても、建設省は「廃止する」との回答をするなど、審議委員会設置へのハードルはほぼクリアできたと感ずるまでになりました。 今回、知事が大幅な譲歩案を村長に提示した背景には、最近の危機的状況を客観的に見据え、事態打開には審議委員会による幅広い議論の場の設置しかないという信念に基づき、知事がリーダーシップを発揮されたものであり、まず適切な判断であったと言えるのではないでしょうか。ただ、知事がこれほどまでに審議委員会の設置に汗をかいてきておられるのに、建設省は県に任せっきりの態度であり、少し気がかりであります。 審議委員会はそもそも建設省がつくった制度であるから、もっと建設省みずからが事態打開に向け、さまざまな提案や努力してしかるべきではないか。言いかえれば、那賀川の管理者としての責務を全うしていないのではないかと思われるのであります。 さらに、知事の努力に対する木頭村側の態度はもっと不可解であります。国や県がここまで譲歩したことを全く評価せず、「まだクリアしなければならない問題があり、審議委員会参加への条件は整っていない」とし、いまだに歩み寄りの態度を見せようとしないことは、極めて残念であると言わざるを得ません。 去る六月十一日の徳島新聞の社説でも、「木頭村は、審議委員会の委員就任に向け、早急に結論を出すべきだ」と述べているように、藤田村長と村議会議長は審議委員会に入り、正々堂々と論陣を張るべきでありましょう。 ここまで努力してきた話し合いの場をやたらに引き延ばしたり、無にしようとする考え方では民主主義の理念に反し、多くの県民の賛同は得られず、木頭村がみずから孤立化の道を選択したと言われても仕方ありません。 建設省が「ダム等事業審議委員会」を試行して以後、対象となった全国のダムや堰では、審議委員会の論議もしないで結論を出したというところはどこにもありません。唯一、審議委員会が開かれていないのが細川内ダムでありますが、審議委員会の結果としての事業の継続、変更、中止の決定がなされるのでありますから、このような民主主義のルールに基づく話し合いの場とも言える審議委員会を経ずして、一方的に中止だけの結論を出そうとするのは、県民世論を無視する態度と言わざるを得ません。 今回、国や県が異例の譲歩をしてまで、公平・公正に議論をしようとする話し合いの場に、なぜ藤田村長は出てこないのか、全くもって理解に苦しみます。これでは単なる反対のための反対だと言わざるを得ないのではないでしょうか。県は早急に回答を求めるべきであります。 聞くところによると、当初の約束では六月十六日が回答期限と伺っておりますが、その期限もとうに過ぎております。そこで、県は、回答の時期を設定してそれまでに回答のない場合は、木頭村が民主主義のルールを踏まないものとして、建設省とも相談の上、何らかの対策を図るべきではないかとも考えますが、知事の所見をお伺いします。 さて、このような状況の中での知事の今までの御努力は一応評価するとともに、今後の話し合いの場の設置に期待をしたいと思いますが、一方で、知事の今回の審議委員会設置に向けた大幅な譲歩姿勢に対し、事業推進を願っている県民からは後退姿勢ではないかという強い懸念があることも事実であります。細川内ダムの早期建設を必要としている地域の方々からは、国や県の姿勢の後退がダム建設断念につながるのではないか、また、今後の那賀川の治水・利水は、本当に大丈夫かという意見が多数寄せられております。 そこで、県は細川内ダムを断念する考えはないということを確認の意味を兼ねて知事にお伺いし、あわせて今後の細川内ダムに対する基本的な考え方について説明を願いたいと思います。 次は、第十堰の改築についてであります。 こちらの方は、既に第十堰建設事業審議委員会が設置され、六回の審議委員会、三回の公聴会のほか、専門学者による技術報告会も行われ、全国の他の審議委員会に比べ、極めて入念な審議が行われていることに対し、敬意を表したいと思うのであります。 しかし、既に、審議が開始されてから約二年が経過しようとする今日、事業促進を願う吉野川下流域の関係市町を中心に、経済界や各種団体等から可動堰への早期改築を求める声が日増しに強くなりつつあります。また、建設省からの資料もほぼ出尽くし、あとは委員の間で議論して結論を出すのみの段階にまで来ているように思うのであります。一部に、可動堰化に懐疑的な市民団体を中心として議論の結論を引き延ばさんがためとしか思えないような意見も寄せられているようでありますが、ここに来て審議を長引かせることは優柔不断と言わざるを得ないのではないでしょうか。 可動堰への改築の必要性は、治水対策としてのウエートが極めて大きい上、堰は年々老朽化の度合いが進んでいくわけであります。吉野川下流域の安全と発展を思うと、一刻も早く着工する必要がありますし、これは先月の公聴会でも事業の促進を願う方々の一致した意見でもあったようです。また、事業には多くの経費を必要としますが、既に国の方では、政府・与党の財政構造改革会議が、あらゆる長期計画について大幅な縮減を行うことや、来年度の公共事業費は、前年度比では七%削減することを決めております。さらにこの状況が毎年厳しくなっていくことは、今さら申すまでもなく、手おくれとならないよう、審議委員会の方針の決定は一日も早く急いでほしいものだと思います。 もちろん、審議委員会の結論自体は審議委員会が決めることでありますから、ここで知事に、結論の出る時期はいつごろかと詰め寄ってもお答えはできないでありましょうが、私自身は、現在の審議委員会の状況を客観的に判断し、そろそろ大詰めを迎えてもよい時期にあると考えております。 そこで、このような現在の状況を踏まえ、可動堰がベストであると確信を深められておる知事の、今後の第十堰改築促進に向けた決意のほどをお伺いします。 答弁をいただき、まとめに入りたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 四国縦貫自動車道脇─美馬間の開通時期についての御質問についてでございます。 県といたしましては、日本道路公団に対しまして、できるだけ早く供用していただけるように、機会あるごとにお願いをしてまいりました。この区間の用地取得は一〇〇%契約済みであり、土木工事の進捗率は九八%となっております。現在、舗装工事、交通安全施設の工事なども順次進められております。したがいまして、私といたしましては、非常に厳しい工程になるとは思いますが、何とか年内に供用していただけるように日本道路公団にお願いしてまいりたいと考えておるところであります。 なお、この区間に続く美馬─川之江間につきましても、今後とも残る用地取得や埋蔵文化財調査に全力を挙げるなど、早期の供用に向けまして、なお一層の努力をしてまいりたいと考えております。 四国横断自動車道の鳴門以南の整備についての御質問についてでございます。 阿南─鳴門間につきましては、四国縦貫自動車道や本州四国連絡道路と連結し、四国の高速道路ネットワーク形成はもとより、本県東部・南部地域発展のため、非常に重要な路線であると認識をいたしております。 このうち、小松島─鳴門間につきましては、昨年十二月末に整備計画区間に格上げされた後、建設省から日本道路公団に対しまして調査開始指示が出され、現在施行命令に向けて、地質、地形、関連公共事業などの調査が進められております。県といたしましては、これらの調査に協力いたしまして、地元市町ともども受け入れ体制を整えますとともに、日本道路公団に対しまして早期に施行命令が出されるように国に働きかけてまいりたいと考えております。 阿南─小松島間につきましては、従来からも整備計画区間への格上げを要望してまいったところでございますが、全国的に高速道路を取り巻く環境が厳しいこともあり、昨年末の国土開発幹線自動車道建設審議会では整備計画区間に格上げされませんでした。この区間は、昨年末に都市計画決定を終えており、県といたしましては、次回の国幹審では、ぜひとも整備計画区間に格上げされますよう、関係者の方々の御協力も得ながら、今後なお一層の努力を続けてまいりたいと考えているところであります。 木頭村に対し、回答の時期を設定して、それまでに回答のない場合は、建設省とも相談の上、何らかの対応を図るべきではないかという御質問についてであります。 細川内ダムにつきましては、ダム建設により影響を受ける水源地域や受益者となる下流域等の代表の方々が一堂に会し、民主主義のルールにのっとって、那賀川流域全体の観点から十分話し合いを行うことが必要であるというふうに考えておるところでございます。 したがいまして、那賀川全体の治水、利水、環境の諸問題につきまして、細川内ダムはもとよりでございますが、代替案も含めまして、公平かつ公正な立場で、客観的、科学的に幅広く議論する細川内ダム建設事業審議委員会に、ぜひとも木頭村長初め下流域等の代表の方々に参加していただき、それぞれの立場から御意見を述べていただきたいと考えているところであります。 県といたしましては、このような基本的な考え方のもと、審議委員会の設置を最優先させるため、さきの私と村長との直接会談において提示されました委員就任のための八項目の要望等に対しまして、「審議委員会の結論が出るまでの間は、国に対し、細川内ダム建設推進そのものは要望しない」とするなど、村長の意向も十分踏まえまして、誠心誠意、できる限りの内容で回答を行ったところであります。 また、建設省におきましても、審議委員会の設置に向けた県の基本的な考え方を御理解いただき、平成十年度概算要求において、現在の細川内ダム工事事務所を廃止し、那賀川の治水・利水・環境対策を含め、総合的に推進するための組織体制について検討するとの回答がなされたところであります。 これらの県及び建設省からの回答に対し、現在、村においては、村議会等で慎重に御検討いただいているところでありますが、私の方からも早期に回答がいただけるようお願いをしてまいりましたところ、遅くとも七月中旬までに何らかの回答がいただける見通しとなりました。 いずれにいたしましても、私といたしましては、引き続き一日も早い審議委員会の設置に向けまして一層の努力をしてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 細川内ダムに対する県の基本的な考え方等についての御質問でございます。 細川内ダムにつきましては、長年、地元木頭村の御理解が得られてない状況が続いておりますが、一方、那賀川下流域の市町からは、洪水に対する治水安全度の向上、頻発する渇水に対する安定的な水供給及び新たな都市用水の開発に対しまして、細川内ダムを建設促進するよう強い要望が出されてきております。 県といたしましては、細川内ダムにかわる那賀川流域の治水・利水両面における諸問題を解決する方策が何ら見出されていない現状においては、やはり細川内ダムは必要な施設であると考えているところであります。 しかしながら、先ほども申し上げましたように、県といたしましては、那賀川流域全体の治水・利水・環境の保全等につきまして、細川内ダムはもとより、代替案も含め、幅広く検討し、十分話し合う必要があると考えておりますので、一日も早く審議委員会を設置し、公平かつ公正な立場で客観的・科学的に審議がされるよう一層の努力をしてまいりたい、このように考えております。 今後の第十堰改築促進に向けた決意についての御質問でございます。 県におきましては、これまでも第十堰は可動堰に改築すべきであるとの考え方を申し上げてまいりましたが、私自身も、現堰の老朽化の進行、固定堰に加え、斜め堰であるがゆえのせき上げや異常な深掘れなど、現堰が抱える治水・利水上の諸問題を解消し、旧吉野川への分水機能の維持と洪水の疎通能力の増大等を図るためには、自然環境や社会生活環境にも十分配慮しつつ、可動堰に改築する必要があると考えております。 私といたしましては、これまでの審議委員会や公聴会等における御議論や御意見、吉野川下流域の一市七町の促進決議など、さらには去る二月定例県議会での御議論や、決議されました意見書等を総合的に勘案し、知事として、また私自身の信念に基づき、流域住民の生命及び財産を守り、また環境を保全するという立場から、環境に十分配慮した可動堰に改築すべきとの意見を、今後の審議委員会の場で積極的に述べてまいりたいと考えているところであります。   (木村議員登壇) ◆三十六番(木村正君) それぞれ御答弁をいただきました。七十分をもらったのに、はや一分となりましたが、縦貫道の脇─美馬間の開通については十二月までという知事からの回答をいただきました。それから、細川内ダムの木頭村の回答が七月中旬までに何らかの回答をいただける見通しであるというような御答弁もいただきました。そういうことが印象に残るわけでありますが、時間がありませんので、まとめに入らせていただきます。 さて、いよいよ知事選挙が近づいてまいりました。私ども選挙を戦う者にとりまして、選挙は四年に一度のオリンピックと考えております。選手はオリンピックに出場するために日々練習に励みますが、私どもも四年に一度の選挙に勝つために全力を尽くして政治活動を行っているわけであります。そして四年間の活動の成果に対し、住民の皆様方が標準記録を十分に突破していると判断すれば選挙に勝つことができると思うのであります。 私は、知事のこの四年間の活動の成果は十分標準記録を突破していると考えております。知事にはどうかこの四年間の圓藤県政に自信を持って選挙戦を戦い抜いていただき、次の県議会のこの壇上において再びお会いできますことを心より御期待申し上げ、私のすべての質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(俵徹太郎君) 議事の都合により、休憩いたします。      午前十一時四十九分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後一時四分開議      出席議員計三十八名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岡  本  富  治 君     三  番     橋  本  弘  房 君     四  番     大  西  章  英 君     五  番     長  池  武 一 郎 君     六  番     森  本  尚  樹 君     七  番     谷     善  雄 君     八  番     山  田     豊 君     九  番     久 次 米  圭 一 郎 君     十  番     庄  野  昌  彦 君     十一 番     冨  浦  良  治 君     十二 番     樫  本     孝 君     十三 番     来  代  正  文 君     十四 番     猿  瀧     勝 君     十五 番     竹  内  資  浩 君     十六 番     長  尾  哲  見 君     十七 番     福  山     守 君     十八 番     西  沢  貴  朗 君     十九 番     吉  田  忠  志 君     二十 番     北  島  勝  也 君     二十一番     杉  本  直  樹 君     二十二番     佐  藤  圭  甫 君     二十三番     亀  井  俊  明 君     二十四番     遠  藤  一  美 君     二十五番     柴  田  嘉  之 君     二十六番     児  島     勝 君     二十七番     原     秀  樹 君     二十八番     川 真 田  哲  哉 君     二十九番     俵     徹 太 郎 君     三十 番     大  田     正 君     三十一番     榊     武  夫 君     三十二番     平  岡  一  美 君     三十三番     四  宮     肇 君     三十五番     湊     庄  市 君     三十六番     木  村     正 君     三十七番     元  木     宏 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十三番     木  内  信  恭 君   ──────────────────────── ○議長(俵徹太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 二十番・北島勝也君。   〔藤田・中谷・谷口三議員出席、出席議員計四十一名となる〕   (北島議員登壇) ◆二十番(北島勝也君) 自由民主党・交友会の北島勝也でございます。 会派を代表いたしまして、当面する県政の重要案件を中心に、知事並びに理事者各位に質問をいたしたいと思います。 先ほど、昼休みの時間に庁内に流れておりました全通記念テーマ曲、岡本真夜さんの「スマイル」という曲が流れておりましたが、これは大変軽やかなテンポで、さわやかな曲でございます。どうか理事者におかれましても軽やかでさわやかな御答弁をしていただきますようお願いいたしまして、質問に入らせていただきます。 と申し上げましても、午前中の先輩・木村議員の代表質問とかなりの点で重複すると存じますが、知事さん一期目の議会であります。そういうことであえて重ねての質問をいたしますが、その点、御理解のほどをよろしくお願いをいたします。 皆様御承知のとおり、きょう七月一日は百五十五年にわたるイギリスの植民地統治下にあった香港の主権が中国へ返還をされ、中華人民共和国特別行政区として一国二制度のもと、中国にとっても、香港にとっても、まさに新しい時代が始まる記念すべき日であります。 香港返還の条件とされたのが、中国の偉大な指導者・故鄧小平氏が提唱した、新しい香港の憲法とも言える香港特別行政区基本法の中に、「従来の資本主義制度と生活様式を保持し、五十年間は変えない」と明記された一国二制度であります。この新しい香港の初代行政長官の董建華氏は、「中国は、一国二制度を将来的にも保障する」と約束しており、「今後もアジアの金融とサービスの国際センターとして活躍していくために、国際競争力の向上が最大の課題である。香港の将来には自信を持っており、香港の成功は、台湾も含め、中国統一に大変な意味を持つ。」と述べております。今後、経済面では中国の香港化が、また政治面では香港の中国化が進むのではとの見方もされていますが、「港人治港」の原則のもと、東洋の真珠がどのように輝きを増していくのか、世界が注目するところであります。 二十一世紀はアジア・太平洋の時代と言われ、先ごろ日本経済新聞社と米国のウォールストリートジャーナル紙が行った日米両国の世論調査でも、今後二十年間で外交上最も重要な国の第一に、両国とも中国を挙げており、対中重視が鮮明となっております。 日本国内においても、中国との交流の大きな窓口として香港への期待が高まる中、我が徳島県でも、国際交流の拡大を図る上において、中国・香港を重視していかねばならないと思いますが、知事はどう思われますか、お伺いをいたします。 先ほど申し上げましたように、きょうは中国、そして香港の新時代の幕あけの日でありますが、知事は、徳島県の新世紀の幕あけは、明石海峡大橋開通により本州と直結される平成十年春と位置づけ、次の世代のためにも確かな基礎づくりを、県民一人一人が座して待つことなく、自助努力していくことが必要と説かれています。 さらに、現在の日本の飽和的経済状態、国や地方の厳しい財政状況、進展する少子・高齢化など、さまざまな閉塞的環境の中で、徳島県が抱える地方分権、行政改革を初め、山積している課題の解決を図り、新しい活力あふれる徳島づくりに向け、引き続き県政を担当したいと再選へ向けての決意表明をされました。そしてまた、二十一世紀初頭を展望した新しい県政の指針となる「いのち輝く世界の郷とくしま」を基本目標とする十カ年の新長期計画を策定し、今年度よりスタートされています。 このように、知事は、豊かな自然の中、個性に輝き、世界に活動の輪が広がる徳島を二十一世紀に実現すべく、県民のリーダーとして努力する決意とともにその方向づけも示されているわけであります。 私は、知事の四年間は、県政の各分野にわたって広く成果が認められ、県政の推進役としての実績を高く評価いたすところでありますが、特にその目玉は、徳島県の後進性を脱却するためのインフラ整備にあったと受けとめております。しかし、これからの時代は、量より質、物より心、ハードよりソフトに主眼を置かねばならず、国や地方の行政の場においても、その方向への転換が図られつつありますが、そこで知事にお伺いをいたします。 今秋十月四日で一期目の任期を終えられる知事自身の県政総括と、その間のできばえに対する自己採点は幾らでしょうか。また、その一期目で得られた貴重な体験を今後どのように生かされ、二期目の県政にどのような圓藤カラーを打ち出されようとしていくのか。県政のキーパーソンとしてのお考えをお聞かせください。 四年前、知事就任に際しては、公正な県政、県民に顔を向けた県政、チャレンジする県政という三つの基本的政治姿勢を県民の前に示され、透明度の高い、積極的な県政の推進を約束されたのであります。 私は、昨年の六月議会で「アカウンタビリティー」ということを申しました。つまり説明責任ということでございますが、我々議会に籍を置く者も同じですが、知事職にある人も公私とも透明度が高く、その行動についても県民に説明すべき義務があると考えており、再選出馬を前に知事は、政治家の倫理についていかようなお考えを持たれるか、お聞かせください。 次に、新長期計画についてお尋ねをいたします。 今、国では、第二次橋本内閣のもと、行財政改革など六つの改革に懸命に取り組んでいるのは御承知のとおりであります。しかし、その行き先はと考えるとき、さまざまな論議の中でも見られますように、既得権や継続性にこだわる官僚の強い抵抗に遭って、国民の期待する改革が実現されるのであろうかと懸念する声が出ているのも、また御承知のとおりであります。そしてその反面、年金制度改革、保険法改正など国民負担が増加する案件については、行政に痛みを伴う改革に比べて抵抗も少なく、決定されているのではないかとも見受けられ、国民感情として納得しがたい面もあり、ともに痛みを分かち合うという姿勢を貫いてほしいと思うのであります。 さて、国の行財政改革の歳出削減策によりますと、公共事業費は、九八年度から三年間で一五%削減、地方自治体への奨励的補助金は、今後三年連続で毎年一律一〇%カット、制度的補助金の見直し及び削減、地方交付税の配分方式の見直し、また来年度予算は政策的経費である一般歳出を一兆八千億円削減などなど、思い切った取り組みがなされております。 我が徳島県は、少子・高齢化の進行とともに、過疎と過密の二極分化が進み、地域間格差の拡大、さらにインフラ整備に不可欠な公共投資の抑制が行われば、大変な状況に立たされることとなります。地域間格差の是正のために、そして架橋をバネに活性化のチャンスを迎えた徳島の発展のためには、県民総決起大会を開くくらいの決意に燃えて、徳島への予算の優先傾斜配分を強く政府に働きかけるべきと考えますが、去る二十日、国に対して、四国の公共事業予算を削減しない緊急要望を知事みずから陳情されましたが、その手ごたえと徳島県への予算優先傾斜配分に向けての知事の決意のほどをお伺いをいたします。 このような中にあって、二十一世紀架橋新時代に向けた十カ年の新長期計画がスタートしましたが、この新長期計画のセールスポイントは、何といっても、地域ワークショップの開催などによってつくり上げた圏域別計画であろうと思いますので、戦略プロジェクトの中でも絞り込みを行い、めり張りをつけた取り組みにも知恵を絞ることが重要であると考えます。 県は、先月十六日に、新長期計画のうち、前半五カ年で重点的に取り組む施策について、具体的な数値目標や完成年度を盛り込んだ前期推進計画を発表されましたが、まことに当を得たものと評価をするものであります。しかし、今後さらに緊縮財政の進行が予測される中、総花的な事業推進を行うのではなく、より効果が上がる推進方策の工夫が必要であります。 推進に当たっては、どこに焦点を当てて事業の優先順位をはっきりと打ち出し、確固たる信念と方針を持って進めていくべきと考えますが、この点、知事はどのようにお考えでしょうか。 次に、行財政改革への取り組みについてお尋ねいたします。 県では、国における行財政改革や地方分権への動きが加速される中、地方分権型行財政システムへの転換を積極的に推進するため、平成七年六月に新行財政システム推進大綱を策定し、推進委員会の意見・提言を受け、知事をトップとする推進本部を設置し、全庁的な取り組みが行われております。 その施策としては、簡素で効率的な行財政システム構築に向け、部局の再編など組織機構の改革、政策立案能力の充実強化、サマーレビューによる財政見直しなどなどが図られておりますが、その効果が具体的に県民の目にもはっきりと見えているかといえば、甚だ疑問と思われるのであります。 今、徳島県は、当初予算を大きく上回る県債発行残高を抱えており、民間企業で言うならば、年間売上高にも匹敵する負債を抱えている状況であります。国においては、行財政改革に火だるまになって取り組んでおり、向こう三年間はマイナス予算編成が打ち出されております。このことは、国への依存体質が強い徳島県に大きく影響してくることは必至であり、県においても、行財政改革に火だるまとなって取り組まなければ、将来に大きな禍根を残すこととなります。 そこでお伺いいたします。 新行財政システム大綱策定以来、二年を経過した現在までの成果をどのように評価をされておられますか。 さらに、知事が所信で表明された地方分権型行財政改革を進める「アクション21」への取り組みについてお聞かせください。 また、来年度予算編成も踏まえて、財政健全化推進プログラムについてどのようなスケジュールで取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 続いて、国の行財政改革に関連して懸念される規制緩和への対応についてであります。 政府は、去る三月に、新たに八百九十項目の規制緩和策を閣議決定し、これで一九九五年より三カ年計画で進めてきた規制緩和推進計画には二千八百二十三項目が盛り込まれ、昨年十月までに措置済みは千二百八十七項目となりました。このような規制緩和が進めば、自由市場競争の中で、生産性の向上、価格や料金の低下、サービスの向上により需要の拡大を図り、産業の活性化とともに国民生活にメリットが生まれてくると期待をされております。 先般、通産省が発表しました試算によりますと、抜本的な規制緩和を進めれば、二〇〇一年の国内総生産、GDPは、一九九五年比、六%の増、一世帯当たり三十七万円の減税に等しい効果があると見込まれています。しかし、反面、規制緩和の打撃を受け、リストラを迫られる卸売業、金融業、運送業などでは雇用が減少し、その対策が必要と報告されております。今後さらに規制緩和が進められ、企業間競争や資本の統合がますます激しくなることが予測されるとき、中小零細企業の多い徳島県においては、将来を踏まえた的確な指導・育成策を講じることが重要と考えられるのであります。 このことからも徳島の経済を支える県内中小零細企業、とりわけ商工業者を保護・育成していくため、各種の規制緩和が県内産業へ及ぼす影響を検討するとともに、適切な指導・育成を図る研究機関を早急に設けて、大競争時代の対応を進めるべきと考えますが、この点どのような御所見かお伺いいたしまして、以上、御答弁をいただき、質問を続けてまいります。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 国際交流の拡大を図る上におきまして、中国・香港を重視していかなければならないとの御質問についてでございます。 御指摘のとおり、本日、香港は、百五十年余りの長きにわたる英国統治から中国に返還されますとともに、中華人民共和国香港特別行政区として新たな歴史が始まったところでございます。 香港は、これまでも国際貿易・金融センターとして近年比重が高まっておりますアジア・太平洋地域における中枢的な役割を担ってきたところでございまして、返還後におきましてもその役割は維持されるものと考えているところでございます。 昨年の十月に、私は、四国観光立県推進協議会香港観光キャンペーン団及び徳島県広東省人民政府友好訪問団の団長といたしまして、香港並びに広東省を訪問してまいりました。その際、改革・開放の大きなうねりの中からわき上がってくるような、十二億人の中国の人々のエネルギーを間近に感じ、これからのアジアの時代においてその成長の中枢となり、牽引役を担うべき華南経済圏の著しい発展に改めて目を見開かされた次第でございます。 その際、広東省と友好交流と協力に関する協議書を交わしまして、今後の友好交流を推進することといたしましたが、近年香港経済は、この広東省と一体化する傾向にございまして、ますます急速な経済成長を遂げつつございます。今後、香港を視野に入れた中国広東省との交流を一層推進してまいりたいというふうに考えておりますとともに、こうしたアジアを初めとする世界との交流を推進をいたしまして、世界に開かれた、「いのち輝く世界の郷とくしま」づくりに努めてまいる所存でございます。 県政の総括と、それを自己採点して幾らかという御質問についてでございます。 知事就任以来、これまでの県政運営をみずから振り返ってみますと、まだまだ県民の皆様に御満足をいただいていない事業も数多くございますものの、議員からもお話をいただきましたように、陸・海・空の交通体系を初めとした各分野にわたる社会資本の整備におきましては、一定の成果を上げることができたのではないかと感じております。 また、今後の日本社会が、経済的にはかつてのような高度成長を望むべくもなく、また人口もふえない中で高齢・少子化が急速に進行しつつあり、その一方、国、県とも多額の財政赤字を抱えるといった、まさに閉塞的な状況のもとにある中で、御指摘の量より質、物より心、ハードよりソフトへといった点につきましては、これからの新しい社会システムのあり方を希求する上におきまして、私自身も大変重要な視点であるというふうに認識をいたしております。 そうしたことから、常々、個性、創造、自立の三つの理念に基づきました社会づくりが求められると考えているところでございまして、知事就任以来、そうした理念を体現するための施策につきましても積極的に取り組んでまいったつもりであります。その取り組みの一例が、みずからの地域のことはみずからで考えていこうという趣旨から設立をいたしました自治体シンクタンクであり、国に対する政策提言型の要望であります。 また、広く県民の知恵と力を結集し、個性ある地域づくりをサポートしていくものとして、ベンチャー企業の育成策、あるいはボランティア活動の取り組みにつきましても、私自身が旗振り役として積極的に推進してまいりました。さらには、そうした私自身の徳島をよくしたいという気持ちを込めた集大成とも言うべきものが、広く県民の皆様の総意のもとに策定をされました新しい長期計画でございます。 さて、自己採点は幾らかという御質問でございますが、こうした成果も、ひとえに議員各位を初め県民の皆様の御支援と御協力があってこそなし得たものでございまして、いわば県民挙げての成果と言うべきものであります。 私自身の気持ちといたしましては、まだまだ不十分ではありますが、自分なりに県政運営の重責を何とか全うすることができたのではないかと、このように感じておりますが、県民の皆様に支えられました私の四年間の評価につきましては、広く県民の皆様にその最終判断をゆだねたいと考えている次第であります。どうか御理解を賜りたいと思います。 二期目の県政にどのようなカラーを打ち出していくのかとの御質問についてでございます。 今議会が、私の任期一期目における最後の議会となったわけでございますが、議員からの御質問を拝聴いたしておりまして、知事就任後間もない、初めての議会におきまして、いみじくも、どのような圓藤カラーを胸に描いて県政運営に当たるのかとの御質問をいただいたことを思い起こしました。その際には、「カラーとは、日々の行動なり業績の積み重ねの中で、ある程度時間をかけてにじみ出てくるものであり、四年間、一日一日を大切に、一生懸命取り組む中で、おのずからその結果としていわゆる一つの圓藤カラーというものが浮かび上がってくるものではないか」といったような趣旨のお答えをさせていただいた記憶がございますが、知事として四年近くの歳月を経た今日におきましても、そうした気持ちにいささかの変わりもないというのが、今の気持ちであります。 そういたしますれば、四年間の積み重ねの結果としてカラーとしてあらわれてきたものは何かということになりますけれども、みずからの四年間を振り返りまして、私自身、はっきり申し上げることができますのは、誠心誠意、一生懸命汗を流して県民の声に耳を傾けながら、よりよき徳島づくりに向けて全力を傾けてきたということであります。その成果につきましては、努力のかいがあって大きな成果を上げることができた事業、あるいは努力しつつもなかなかその成果があらわれていないもの、いろいろございますが、県民にとって何が最良の選択なのかを常に念頭に置きまして、正々堂々、正面からさまざまな事業に取り組み、局面の打開を図ってまいったつもりであります。 みずからを評するというのは、いささか面映ゆい気もいたしますが、圓藤カラーとは、そうした失敗を恐れず、県政運営に常に誠実に、かつ積極果敢に取り組む姿勢、そして気概そのものであると自認をいたしているところであります。 来る知事選挙におきまして、県民の皆様からの御支援をいただき、再び県政のかじ取り役を仰せつかることがかないますならば、これまでの四年間同様、いやそれ以上に気力を充実させ、ひたすら汗を流し、県民の先頭に立って、県勢発展のために、日々、誠心誠意取り組んでまいりたいと考えているところであります。 政治家としての倫理についての御質問についてでございます。 議員からもお話がありましたとおり、私は四年前、知事就任に際しまして、「清潔、公正な県政」、「県民に顔を向けた県政」、「チャレンジする県政」の三つの基本的な政治姿勢を県民の皆様にお約束をし、活力あふれる徳島づくりに向けて全身全霊を傾け、県政運営に取り組んでまいりました。さきの二月議会におきまして、秋の知事選挙への出馬表明もさせていただいたところでございますが、再選出馬に臨む今現在におきましても、そうした基本的な私自身の政治姿勢に何ら変わるところはございません。 日本の社会システムがあらゆる面において制度疲労を起こし、新しい社会システムの再構築が求められている中にありまして、国民のすべてに痛みを伴うことにもなりかねない社会システムの改革を是が非でも成し遂げるためには、政治家の強いリーダーシップが望まれるわけでありますが、その前提として求められるものは、国民の政治に対する信頼であり、国民の信頼を得るための政治家の公正平等・公平無私な政治姿勢であります。変革と創造の時代である今こそ、従来にも増して政治家の倫理が問われているのであります。このことは、地方自治の場におきましても同様にしかりであります。県政の負託を受けて、県政の最高責任者としての地位にある者として、県民の信頼ということを何よりも重く受けとめなければなりません。常にみずからを厳しく律し、清潔、公正な政治姿勢をこれまでどおり、いやこれまで以上に堅持し、県民の皆様からの熱い信頼をいただくことが、今後の県政運営におきまして何より大切なことであると痛感をいたしております。 来るべき知事選挙におきましても、初心を忘れることなく、かつ新たな気持ちで、県民の皆様から全幅の信頼をいただきますよう最善の努力を重ねてまいりたいと考えているところであります。 それから、緊急要望に対する手ごたえと、本県への優先傾斜配分に向けての決意についての御質問でございます。 さきの財政構造改革会議の最終報告におきまして、公共事業投資の削減について、非常に厳しい数値目標が示されたことなどから、本県が提案いたしまして、四国四県合同による四国地方の社会資本整備についての緊急要望を先月二十日に行ったところであります。当日は、私が、四県の知事を代表いたしまして、政府・与党や各省庁に対しまして、四国のおくれている社会資本整備の状況、地理的条件や自然条件を説明をいたしまして、地域間格差の是正や公共事業の四国地方への重点配分を強く求めたところでございます。 この四国合同の要望に対しまして、「社会資本整備のおくれた地方の事業を重視することが必要であり、十分検討したい。地方としても大いに頑張ってほしい。」と激励をされましたり、また、「用地費が大半を占める都市部よりも、少ない事業費で、早期に大きな効果を発揮できる地方部の事業を重視したい」といったような、さまざまな積極的な回答をいただくことができました。これらのことから、本県を初め四国四県の熱意は十分に伝わったものと考えております。 また、新しい世紀に向けまして、「いのち輝く世界の郷とくしま」の実現のためには、財政力の脆弱な本県にとりまして、公共事業予算の重点配分はもちろんのこと、それ以外の非公共事業予算などの確保につきましても非常に重要であると強く認識をいたしております。 ついては、本県の立ちおくれた社会資本等の状況を強く訴えまして、本県への予算の傾斜配分等につきまして、重要要望を初めとして、機会あるごとに国などに強く求めてまいりたいと考えているところでございます。 新長期計画の推進について、事業の優先順位を打ち出し、確固たる信念と方針を持って進めるべきではないかというお尋ねでございます。 新長期計画の推進に当たりましては、県民の幅広い理解をいただきますとともに、財政を取り巻く環境が極めて厳しい中で、予算の重点的配分などによりまして、効率・実効性の高いものにしていくことが求められております。 戦略プロジェクトにつきましては、二十一世紀の県づくりを進める上で大きな課題を解決していくために、先導的な施策や事業を絞り込んだものとなっておりまして、このほど策定した前期推進計画では、戦略プロジェクトに特に重点を置いております。これはできるだけ具体的な目標を掲げることによりまして、めり張りのある予算配分を行う一つのよりどころとするとともに、事業の優先順位につきましても財政状況に応じて当然考慮しなければならないというふうに考えております。 これからの事業実施に当たりましては、県民の要望やニーズが特に高いもの、県勢の発展にとって大きな意味のあるものについては、重点を置いた取り組みを進めていくことが極めて重要だと考えております。 また、圏域別計画には新しいプロジェクトを幾つか盛り込んでおり、これから事業の具体化を図ってまいりますが、その際、三圏域の地域バランスを十分考慮するとともに、特に広域的に取り組むべきプロジェクトにつきましては、圏域内の連携や交流の促進、あるいは地域の活性化に及ぼす効果が大きいことから、力を入れて推進していく必要があるというふうに考えているところであります。 今後、前期推進計画を基本として、戦略プロジェクトに重点を置いて推進を図ってまいりますが、重点的な予算配分や各部局の横の連携をとり合うなど、全庁挙げた取り組みを進める中で、すぐに着手するもの、また中長期的に取り組むべきものなどを見きわめてまいりたいと考えております。 新行財政システム推進大綱策定以来、二年を経過した現在までの成果についての御質問であります。 私は、県政の推進に当たりまして、幅広く県民の声を聞き、大局的、総合的観点から地域に根ざした政策を立案し、勇断を持って実行するシステムを確立するために、平成七年の六月に新行財政システム推進大綱を策定いたしました。この大綱は、県民にわかりやすい行財政システムの推進、簡素で効率的な行財政システムの確立、新しい協働システムの構築、人材育成システムの強化を基本方針といたしまして、実施に当たりましては、人口の高齢化、高度情報化、国際化などの日々新たな社会経済情勢の変化を的確にとらえ、機敏に対応できる行財政システムの構築に取り組んでまいりました。 具体的な取り組み状況につきましては、部の再編を伴う大幅な組織機構改革の実施を初め、サマーレビューによる財政の見直し、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図るための行政手続条例の制定、民間活力の活用の観点からボランティア推進センターの設置、さらには附属機関百十六機関のうち十九機関の廃止決定、また外郭団体百十一団体のうち、統廃合等による二十八団体の見直しをするなど、着実に成果があらわれていると考えておるところであります。 また、地方分権等による地方の主体性の高まりに先行して、政策立案機能の充実強化や、本県独自の国に対する施策提案型要望の実施、人材育成の観点からの政府機関や民間企業等への派遣研修等、長期的視点に立った取り組みも行っているところでございます。 もとより行財政改革は、不断に、かつ果断に取り組むべき課題であるとの考えのもとに、部の再編等組織の根幹にかかわることから、決裁権限の見直しや事務改善等、個々にテーマを決めて幅広く実施してきたところでございます。 次に、地方分権型行財政改革を進める「アクション21」への取り組みについての御質問でございます。 私は、県みずからが考え、みずからの責任において、自立的で創造的な施策を展開できる二十一世紀に向けた、地方分権時代にふさわしい行財政システムを再構築する必要があると考えております。 そのため、先日開催した新行財政システム推進本部会議では、私は本部長といたしまして、今年度行う事務事業の総点検では、限りある財源と人材の有効活用を図るためにも、すべての事務事業をゼロベース基調で見直すよう各部長に強く指示したところであります。この見直しを通じて、私自身が先頭に立って、行財政システム全体の改革に取り組み、議員各位を初め、広く県民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、民間と行政、国と地方、県と市町村の役割分担を検討し直す一方、県の事務と位置づけられたものにつきましても、最少の経費で最大の効果を上げられる行財政システムを創造し、来るべき二十一世紀の地方分権型社会にふさわしい、簡素で効率的な行財政システムを構築してまいる所存であります。 財政健全化推進プログラムについてどのようなスケジュールで取り組むのかという御質問でございます。 本県財政は、県税を初めとする自主財源が乏しく、地方交付税、国庫支出金を中心とする国への依存財源に頼る度合いが非常に高くなっておりまして、毎年度の地方財政全体の収支見通しである地方財政計画の動向に大きな影響を受けざるを得ない財政構造となっております。 今回の国の財政構造改革では、本県予算編成上の大きな指針であります地方財政計画及び地方債計画の大幅な見直しが指摘されておりまして、財政健全化推進プログラムの策定に当たっては、その改革の動向を十分見きわめる必要があるというふうに考えております。 一方、本県では、厳しい財政状況下ではありますが、新長期計画に盛り込まれた諸施策を着実に推進することが求められておりまして、従来にも増して限られた財源の効率的・重点的配分の徹底を図ることが喫緊の課題であるというふうに認識をいたしております。 そのため、財政健全化推進プログラムの策定スケジュールにつきましては、当面、平成十年度予算に向けた具体的な推進方策を九月末を目途に取りまとめたいと考えております。その後、財政構造改革の初年度である平成十年度の地方財政計画及び地方債計画がどのような形になるのか、国の制度改正による地方財政措置がどのようになされるのか、また、地方分権推進の動向なども十分見きわめた上で、中期的推進方策を盛り込んだ最終案を固めてまいりたいと考えております。 規制緩和が県内産業に及ぼす影響と、県内商工業者に対する保護・育成についての御質問でございます。 現在、我が国の経済は、さまざまな規制により、自由で公正な競争が阻害されており、国においては経済構造改革として、物流、エネルギー、情報通信、金融面等につきまして抜本的な規制緩和に取り組んでいるところであります。一方で、規制緩和を推進することは、当然ながら、規制により恩恵を受けていた企業にとっては競争の激化が予想され、より一層の企業努力が必要となってまいります。 このような規制緩和による大競争時代の中、県におきましては、積極的に頑張る企業が着実な発展を遂げていくために、産業振興ビジョンを提示したところでございまして、この中でベンチャー企業に対する支援や販路拡大支援、技術面における各種支援などの施策をきめ細かく講じまして、県内中小零細企業、とりわけ商工業者の育成を図ってまいりたいと考えているところであります。 なお、これらの施策を講ずるに当たりましては、工業技術センターを初めとした既存の県の施設の充実、産・学・官の交流促進、さらには中小企業振興公社等の商工団体との連携強化等を図ってまいりたいと考えているところでございます。   (北島議員登壇) ◆二十番(北島勝也君) それぞれ御答弁をいただきました。 香港返還につきましては、今、中国は世界の経済大国を目指して市場経済への転換を図りつつあります。その持てる莫大なエネルギーは、やがて二十一世紀における世界の中心的な存在になってくると思われます。 徳島県は、中国の中でも発展の著しい広東省と友好交流協定を結んでいますが、これを核として中国全土、さらには東南アジアへも交流の輪を広げ、アジア各地との連帯感を高めるとともに、二十一世紀の世界にかける橋への礎としていただきたいと思うわけでございます。 また、知事さんの政治姿勢におきましては、心からの御答弁をいただいたと感じております。この四年間、誠心誠意、県勢発展に汗を流してこられましたことは衆人広く認めるところであります。この得られました体験をもとに、積極果敢に徳島県の後進性脱却のため、なお一層の御尽力をお願いをいたしておきます。 新長期計画、行財政改革につきましては、大変前向きな、また積極的な御答弁をいただいたと思っております。現在の経済情勢のもと、新長期計画のさまざまなプロジェクトの推進あるいは行財政改革への取り組みにおいては、危機的な国や県の財政状況をよく認識され、効率的な財政運用を図るとともに、思い切った歳出削減策を講ずるべきであり、従来とは違った視点での取り組みが必要であろうと思います。行政改革には、行政に大きな痛みを伴いますが、この痛みを耐えていかなければ抜本的な改革はできません。 質問を続けてまいります。 次に、第十堰改築事業についてお尋ねいたします。 この事業は、過去の議会で幾度となく論議が交わされており、また流域市町や農業・消防団体からの改築促進決議が出される一方、環境保全を訴える市民団体の行動も広がりを見せ、県民多数が大きく関心を寄せているところであります。 平成七年九月に設置された第十堰建設事業審議委員会は、先月までに六回の審議委員会が開かれ、治水計画や代替案、自然環境への影響などについて審議がなされ、また先月末までに三回にわたって行われた住民公聴会では、改築の必要性、改築の方法、環境への影響などについてそれぞれ意見の聴取が行われました。また、技術的な分野での専門学者による二回の報告会も行われるなど、幅広い審議を重ね、その熟度は相当レベルに高まってきていると見受けられるわけですが、審議委員会としての結論をいつ県民の前に公表するのか。今後のスケジュールと答申の時期について、メンバーでもあります知事さんのお考えをお聞かせください。 私自身、流域住民の一人として、また県議会の一員として、この問題の行方に重大な関心を持っておりますが、このままずるずると審議委員会を続けても、改築賛成派と反対派の対立は解けず、平行線のまま推移して解決が得られないと見ております。住民公聴会も含めて、新たな資料やこれに対する意見が出尽くした今、勇断を持って可動堰の是非の決断を下すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いをいたします。 私は、吉野川流域で生まれ育った住民の一人として、吉野川に限りない愛着を持つ反面、吉野川の怖さも十分知っているつもりであります。第十堰が宝暦二年完成以来、二百四十有余年という長い歳月の経過によって、堤の老朽化は著しく、漏水や継ぎはぎだらけのコンクリートブロックには亀裂や剥離などの損傷だらけであります。将来にわたってもこのままの状態であれば、大洪水時に流失のおそれがあり、もしも堤周辺でのはんらんが起これば、北岸側では約七千五百ヘクタール、約八万七千人、南岸側では約二千九百ヘクタール、約三万二千人への被災のおそれがあると試算もされております。要は、早く結論を出して事業促進を図っていく必要があるというのが、私ども吉野川下流域に住む住民の一致した意見であります。 知事は、先月十九日に、審議委員会の委員とともに長良川河口堰の調査に参加されたそうであります。知事は常々、長良川と吉野川とは基本的に違うと言われておられますが、現実に長良川河口堰を見られた結果、具体的にどこがどう違うのか。また、第十堰改築への判断材料としてどう思われましたか、お聞かせをください。 続いて、細川内ダム問題につきましては、午前中の先輩・木村議員の質問でも取り上げられ、また、あすは我が会派の児島議員が質問を行う予定でありますので割愛をさせていただきますが、村からの回答が七月中旬ごろにあるとの先ほどの知事さんの答弁にありましたが、審議委員会設置に向けて国、県が村の要求をほぼ全面受け入れをした上は、一刻も早くテーブルに着いていただくよう強力に働きかけを行わなければならないと思います。 続いて、徳島空港問題についてお尋ねをいたします。 徳島空港拡張整備事業は、昨年十二月、第七次空港整備五箇年計画の中に位置づけをされ、本年度に実施調査費が計上されて、二千五百メートル滑走路建設へのテイクオフが始まったところであります。この空港拡張に対し地元が期待を寄せているのは、周辺の新たなる開発であります。 これまでの県当局の説明によりますと、滑走路の延長はもちろん、空港ターミナル、空港支援施設、流域下水道、終末処理場、廃棄物処理場、海浜公園、人工海浜などを造成する計画で、開発面積は当初百七十五ヘクタール、造成費は七百億円程度と仄聞いたしております。これら空港機能と一体となった総合的な交流拠点づくりや都市環境、自然環境を保全し創造する、本県の地域振興に欠くことのできない重要かつ緊急性のある事業ばかりであります。 そこで、知事のこの事業に対する認識と取り組む姿勢についてお伺いをいたします。 また、この事業計画の中で、主要幹線道路と空港及び周辺の各種施設とのアクセス計画をどのように考えておられますか、お聞かせください。 去る六月三日に閣議決定された財政構造改革方針では、来年度の公共事業費は本年度より七%カットされることになりました。また、十年間で六百三十兆円を予定している公共投資基本計画を初め、公共事業の長期計画は二年間延長し、予算枠は据え置くが、単年度の投資額は削減する方針が打ち出されました。 これを受けて運輸省では、第七次空港整備五箇年計画に盛り込まれた拠点空港整備については、計画規模は基本的に維持をするが、地方空港分は期間を二年間延長し、単年度の予算配分を計画ベースの七〇%程度に抑制する方針であります。それにより、地方空港である徳島空港の拡張事業も二年おくれになるのではないかと心配されますが、周辺整備事業も含め、厳しい財政状況の中でいかなる見通しをされているか、お聞かせください。 最後に、神戸─鳴門ルート開通後の架橋新時代における警察行政の課題についてお尋ねをいたします。 現代は、遠距離・高速交通網、マルチメディアの驚異的な発達により、人・物・情報が国境を越え、時間を超えて行き交うボーダーレス時代と言われ、今後その垣根はますます低くなっていくと思われます。神戸─鳴門開通により海の垣根は取り払われ、徳島と阪神間は百分交流圏となり、人・物の交流は活発となり、徳島の活性化に大きな夢が持たれておりますが、反面、事件、事故といった期待されない負の部分の増加が懸念され、このルートを利用し、車や無線機、携帯電話を使用した犯罪がふえることが予想されると同時に、犯罪面での広域化、スピード化が進み、犯罪の流入・流出を防ぐ水際作戦が大変重要となってくると思われます。 そのため、徳島県警では、昨年十一月に「明石海峡大橋に係る諸対策検討委員会」を設け、各部門での諸施策の推進と犯罪の広域化、スピード化への対応策として隣接県との連携強化を図られております。その実効を上げるには、まず、何よりも広域情報網を整備し、平常よりさまざまな情報をキャッチして万全な防犯体制を整えるとともに、犯罪発生時には、犯人のスピードに負けない、迅速な捜査網の配備で現場周辺での検挙に結びつけることが大切であり、それがまた犯罪の拡散防止ともなります。 徳島県の人口十万人当たりの刑法犯認知件数は、全国平均の千四百四十件に比べ、約八百件と大幅に少なく、検挙率も全国平均の四〇%強に比べ、徳島県警では六五%を超えており、日本国内でも最も治安のよい県であると感謝をするところであります。 「新国民生活指標」、いわゆる豊かさ指標が全国総合六位に挙げられているのも、治安維持に係る方々の日ごろの御努力が陰ながらあらわれている結果と申せましょう。 そこで、神戸─鳴門開通後においても、八十三万県民のために、現在の高いレベルでの治安の維持を望むのでありますが、架橋新時代を目前に控え、その対応、取り組みについて県警本部長の御所見をお聞かせください。 終わりに、何とも悲惨で残忍きわまりない、小学校六年生の児童殺害事件が、対岸の神戸市須磨区で発生し、三十六日間の懸命の捜査の結果、驚くべき犯人の逮捕となりました。あらゆる犯罪防止に欠かせないのが、地域に密着した警察体制の確立とともに、地域住民からの情報提供、住民の自己防衛であります。近年の核家族化やプライバシーの確立、他人のことには干渉しないといった人々の意識は、個性を非常に尊重する反面、家族のきずなや地域の連帯感が薄れ、地域の持つ防犯機能の低下を招いていると言えます。 今後、自分のことは可能な限り自分で守るといった自助努力が、真の個性の確立を図るとともに、地域の相互扶助意識を高めていくことが、防犯に限らず、例えば高齢化社会での介護問題などにもその成果が見られると思います。 また、今でも、警察といえば近寄りがたいイメージが持たれるのですが、人々に親しまれ、何でも気軽に話のできる真の民主警察の構築が必要であります。 そこで、防犯に対する地域住民への意識啓蒙、地域と連携した警察体制のあり方についての御所見をお伺いをいたします。 それぞれ御答弁をいただきまして、まとめに入りたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 吉野川第十堰建設事業審議委員会の今後のスケジュールと答申の時期についての御質問でございますが、吉野川第十堰建設事業審議委員会につきましては、平成七年の九月に設置されて以来、現在までに六回の審議委員会、三回の公聴会のほか、二回の技術評価報告会を開催するなど、地域住民はもとより、河川工学等の専門学者の方々まで幅広くいろいろな意見を聴取いたしますとともに、建設事業に関する具体的な資料やデータに基づき、公平かつ公正な立場で客観的、科学的に審議がなされてきたところでございます。 今後は、このような経緯を含まえた上で、より踏み込んだ活発な議論がなされるものと考えているところでございまして、審議委員会の今後のスケジュールや答申の時期につきましては、今後の審議の中で審議委員会として決定することでございますので、私から予断を持って申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。 勇断を持って可動堰の是非の決断を下すべきではないかという御質問でございますが、先ほどの木村議員の御質問にお答えいたしましたように、県といたしましては、かねてより第十堰は可動堰に改築する必要があると申し上げてきたところでございまして、これまでの審議委員会や公聴会等における御議論や御意見、吉野川下流域の一市七町の促進決議など、さらには去る二月定例県議会での御議論や議決された意見書等を総合的に勘案し、知事として、また私自身の信念に基づきまして、流域住民の生命及び財産を守り、また環境を保全するという立場から、環境に十分配慮した可動堰に改築すべきとの意見を、今後の審議委員会の場で積極的に述べてまいりたいと考えているところであります。 現実に長良川を視察した結果、吉野川と具体的にどこが、どのように違うのか。また、第十堰改築への判断材料としてどう思ったかという御質問についてでございます。 先月の十九日に長良川河口堰を視察をいたしまして、建設省や水資源開発公団から、堰の建設目的や事業内容等につきましての説明を受けるだけでなく、地元の町長さんや漁業組合の代表の方から直接お話を聞かせていただいたり、現地において、実際に底質等を採取するなど、直接自分の目で確認をしたところであります。 視察の結果、長良川河口堰が治水・利水上に果たす役割、堰の位置、湛水区域の大きさ、堰周辺の河川環境について吉野川第十堰とは大きな相違があることがわかりました。 例えば長良川では、治水対策の方法として、洪水の疎通能力の増大を図るために、川底を約三十キロメートルにわたりまして掘削をし、侵入する海水による塩水化を防止するために、河口より約五キロメートルの地点に潮どめ堰として河口堰を新しく建設したのに対し、吉野川では、老朽化した固定堰である現第十堰が洪水等の支障となっているために、河口より約十三キロメートル地点に可動堰として改築をし、旧堰は撤去しようとする計画であります。 長良川では、吉野川に比べ、膨大なしゅんせつ工事を伴うこと、長良川河口堰の湛水区域は第十堰の約五倍ほど大きいことのほか、上流に岐阜市等の人口密集地を抱え、水質がきれいと言われる吉野川に比べ、水質自体がもともとよくないことなどの相違点がございます。 また、長良川における河川環境の変化につきましても、建設省や水資源公団から、アユやサツキマスなどの魚類は、魚道を通じ、従来と同じように遡上していること。一般にヘドロと呼ばれている底質は、他の川にも見られる砂や、粘土やシルトであり、堰運用前と大きな変化がないこと。水質の変化についても、当初の予測の範囲内であることや、アオコ状の藻類の発生についても、平成七年、八年に岸部近くのごく限られたよどみ部で小規模に数日間発生したものである。例えば平成八年の八月十日から十一日、これは二メートル掛ける五メーターですね。それから八月十二日、これは三十センチ掛ける三十センチのものが二カ所ということであります。そういうふうに、小規模に数日間発生したものでございまして、無降雨等の異常気象の中で生じたものであること等について説明を受けたところであります。 さらに、絶滅をしたと言われているヤマトシジミにつきましても、堰下流では漁獲量が減少しているが、これは可動堰による影響というよりも、しゅんせつにより水深が深くなったためにシジミが生息できなかったことによるものであること。また、堰の上流の真水になった湛水区域でも、シジミは繁殖はできないが、稚貝の生育は可能であること等について説明を受けたところであります。 また、長良川河口堰に関係する二つの町の町長さんからは、住民の皆様も、大半は洪水の脅威から解放されて大変喜んでおられるというふうに話しておられました。 私といたしましては、今回の視察で、このような可動堰の具体的な役割や操作方法等のほか、堰建設による河川環境への影響やその対策方法と効果等についても勉強することができ、大変参考になりましたので、今後の審議委員会で第十堰改築を議論する上で大いに役立てたいと考えているところであります。 徳島空港拡張事業に対する認識と取り組みについての御質問でございます。 徳島空港の拡張整備につきましては、昨年十二月に決定されました第七次空港整備五箇年計画において位置づけられますとともに、平成九年度予算に実施設計調査費が盛り込まれ、国におきまして本格的な取り組みが始まったところであります。また、県におきましても、空港周辺地域の整備について、本年五月に徳島空港周辺整備事業計画を策定したところでございます。 議員御指摘のとおり、空港拡張及び周辺整備事業は、自然環境と調和した広域交流拠点の形成ばかりでなく、本県の地域振興に大きく寄与するものであり、県政の最重要課題として新長期計画の戦略プロジェクトに位置づけて推進しているところであります。 また、議員御承知のとおり、現下の公共事業を取り巻く環境には厳しいものがありますが、このプロジェクトは本県の発展に必要不可欠な事業でありますので、国に対しまして、予算の確保などにつきまして、あらゆる機会をとらえ要望していきますとともに、関係省庁や地元松茂町を初め関係者の御理解と御協力を得ながら、円滑な事業の推進に努めてまいりたいと考えているところであります。   (桂樹土木部長登壇) ◎土木部長(桂樹正隆君) 主要幹線道路と空港及び周辺の各種施設とのアクセス計画についての御質問でございます。 空港は、高速交通の空の玄関口でありますことから、時間距離の短縮効果を損なうことなく、その機能を十分に発揮できる関連道路の整備を図ることが重要でございます。また、周辺整備の各ゾーン間の連携を高め、その効果をより広い地域の活性化に生かすためにも、周辺地域に円滑にアクセスできる道路の整備に取り組んでいく必要がございます。 このような認識のもと、徳島空港周辺整備基本計画では、アクセス道路の整備につきまして、以下のような四つの基本的な方向性を示しております。第一点目が、沖出しする空港ターミナルと国道十一号を接続する県道徳島空港線の延伸、二点目が滑走路を挟んだ南北道路の整備、三点目が滑走路南側の人工海浜等へのアクセス道路、四点目が高速交通体系とのリンクであります。 本年度は、昨年度に実施いたしました空港周辺整備により発生が見込まれる交通量予測を踏まえまして、この周辺地域を含めた道路網計画の検討を行うことといたしております。 次に、徳島空港拡張事業及び空港周辺整備事業の見通しについての御質問でございます。 空港整備五箇年計画につきましては、他の長期計画と同様、計画期間が二年延長されること、公共事業の実施に当たっては継続事業を優先し、新規事業は抑制するなど、財政構造改革の推進方策が打ち出され、これから空港拡張及び周辺整備に着手しようとする本県にとりまして、事業予算の確保には厳しいものがあると予想いたしております。 しかしながら、空港拡張事業は、交流の時代に向けての県民の利便性の向上とともに、県勢発展を図っていく上での極めて重要な社会基盤であり、また廃棄物処分場や人工海浜の整備は、自然環境や都市環境を保全し、創造する観点から重要かつ緊急性のあるものばかりでございます。 このようなことから、国に対して本事業の必要性や緊急性を訴えるとともに建設コストの縮減策などに取り組み、事業に必要な予算の確保に万全を期し、円滑な事業の推進に努めてまいる所存でございます。   (小野警察本部長登壇) ◎警察本部長(小野正博君) 議員から、架橋新時代における警察の取り組みと、地域と連携した警察活動につきまして御質問がありましたので、お答えいたします。 明石海峡大橋の開通によりまして、本県は阪神圏に直結いたします。治安面ではやや問題が懸念されるところでございます。すなわち、交通事故の増大とともに暴力団や外国人犯罪組織、薬物や銃器、凶悪な暴走族等、現在阪神圏で深刻となっております諸問題の流入や、犯罪の広域化・スピード化の進展等が懸念されるところであります。 県民の安全で平穏な生活を確保するためには、犯罪の検挙という警察の力を磨いていく一方、それだけでは不十分であり、他方で住民、企業、行政機関等と連携を図るなどして犯罪や事故の発生を抑えていく、犯罪や事故が発生しないようにしていくという施策を進めていくことが大変重要であると考えております。 県警察といたしましては、それゆえ、検挙・取り締まり活動と安全確保対策──犯罪や事故をふやさない対策ということでありますが、この二つを二本柱として掲げ、県民の信頼と期待にこたえてまいりたいというふうに考えております。 まず、検挙・取り締まり活動の強化についてでございますが、犯罪のスピード化、広域化に対応するため、兵庫県警察等と緊急配備協定や無線通信の運用に関する協定を締結するほか、広域的な訓練を実施する等、隣接県間の連携強化に努めております。 また、広域捜査活動を的確に進めるため、広域捜査官や捜査共助官等、広域機動捜査体制の拡充に努めるほか、組織犯罪に対する対策の強化のための体制の整備等に努めております。 さらに、初動捜査体制の強化を図るため、無線自動車──パトカーでありますが、パトカーの動態管理システムやヘリテレの整備など、広域情報網の確立にも努めておるところであります。 次に、地域住民と連携した安全確保対策についてでございますが、まず第一に、交番、駐在所につきまして、地域の安全の核となるべく、地域の方々からの要望の把握をする機能、必要な情報を発信する機能、地域で起きておる問題を解決する機能を強化し、もってその地域における生活安全センターとしての存在価値を果たすべく努めているところであります。 第二に、住民、自治体及び警察が連携を図るなどして安全意識の啓発、犯罪や事故、災害等の発生要因の除去活動、また安全施設の設置等に努めるほか、地域のボランティアの方々に対する支援活動等も推進しているところであります。 第三に、犯罪被害の対象となりやすい金融機関や深夜スーパー等につきましては、職種ごとに連携を図っていただき、防犯指導を強化しております。 またさらに、地域レベルでは、地域住民や関係機関・団体が連携して、徘回老人を早期に発見・保護するとともにアフターケアまで一貫して行う「SOSネットワーク」というシステムを現在県下に構築をしておりまして、これは地域における縦割り行政を廃止し、横割り行政への転換を目指す安全対策というふうに位置づけております。 特に最近、子供が被害者となる事案が社会的に問題となっておりますところから、地域住民の御協力を得て、子供が通学途中や屋外で遊んでいる途中に危険を感じた場合に直ちに助けを求めることができる場所を指定し、その安全を確保しようという観点で、「緊急避難子供の家」、わかりやすく言いますと、子供一一〇番制度というような形で、家庭や事業所等にお願いをして飛び込めるお家を設定させていただいているというところでございます。 以上のように、それぞれの地域におきまして、住民の方々等と連携をし、その御要望に対応して、その地域の安全を図るべく努力してまいりたいというふうに考えております。   (北島議員登壇) ◆二十番(北島勝也君) それぞれ御答弁をいただきました。 第十堰改築工事につきましては、知事さんの長良川の視察の成果を、これからの審議委員会で大いに煮詰めていただき、できるだけ早期に結論づけられるよう要望しておきたいと思います。 また、徳島空港は、世界の窓口として一日も早く整備されることはもちろんでありますが、架橋新時代の四国の玄関に位置する空港周辺の整備を進め、空港と橋、またさらには港を核とした一大交流拠点の構築に一層の御努力をお願いしておきます。 先日、六月二十八日に、あの痛ましい、悲惨な「土師淳君殺害事件」の容疑者が逮捕されました。事件のあった神戸市須磨区周辺の人々は安堵されたと思いますが、さらに驚くべきことは、容疑者が中学三年生で、少女二人を殺傷した連続通り魔事件の犯行も自供しているのであります。なぜこのような残酷な事件を、中学三年生が連続して引き起こしたのか。今後、家庭や学校、社会全体がよく考えていかなければならない、何ともやり切れない、ゆゆしい問題であります。世の中の繁栄の陰にある社会のひずみ、それを是正し、心豊かな住みよいまちづくりには、我々はなお一層の努力をしなければならないと、改めて感じさせられる出来事であります。 県民の治安に携わる警察、公安関係の方々も、このような過去の認識でははかり得ない事件も起こる次代の世相を念頭に、人々の交流が活発となる架橋新時代への防犯対策に一層の御精進をお願いするものであります。 さて、本質問の冒頭、知事の県政への取り組み姿勢と政治倫理についてお聞かせいただきました。そのほとばしる情熱と、論語の孔子の言葉にありますように、「政は正なり」の倫理観を持って二期目にチャレンジをされ、再び圓藤寿穂知事と、この壇上において論議を闘わす日の近からんことを心より期待をいたしまして、私のすべての質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○議長(俵徹太郎君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後二時十五分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後二時三十五分開議      出席議員計三十九名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岡  本  富  治 君     二  番     藤  田     豊 君     三  番     橋  本  弘  房 君     四  番     大  西  章  英 君     五  番     長  池  武 一 郎 君     六  番     森  本  尚  樹 君     七  番     谷     善  雄 君     八  番     山  田     豊 君     九  番     久 次 米  圭 一 郎 君     十  番     庄  野  昌  彦 君     十一 番     冨  浦  良  治 君     十二 番     樫  本     孝 君     十四 番     猿  瀧     勝 君     十五 番     竹  内  資  浩 君     十六 番     長  尾  哲  見 君     十七 番     福  山     守 君     十八 番     西  沢  貴  朗 君     十九 番     吉  田  忠  志 君     二十 番     北  島  勝  也 君     二十一番     杉  本  直  樹 君     二十二番     佐  藤  圭  甫 君     二十三番     亀  井  俊  明 君     二十四番     遠  藤  一  美 君     二十五番     柴  田  嘉  之 君     二十六番     児  島     勝 君     二十七番     原     秀  樹 君     二十八番     川 真 田  哲  哉 君     三十 番     大  田     正 君     三十一番     榊     武  夫 君     三十二番     平  岡  一  美 君     三十三番     四  宮     肇 君     三十五番     湊     庄  市 君     三十六番     木  村     正 君     三十七番     元  木     宏 君     三十八番     中  谷  浩  治 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     木  内  信  恭 君   ────────────────────────
    ○副議長(木内信恭君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 三十番・大田正君。   〔来代議員出席、出席議員計四十名となる〕   (大田議員登壇) ◆三十番(大田正君) 私は、社会県民クラブを代表いたしまして、当面する県政の諸問題につきまして、知事並びに理事者各位に御質問を申し上げていきたいと思います。 私も、文字どおり、ざっくばらんにお伺いをしていきたいと思いますので、理事者各位におかれましてもひとつ、事務当局で作文をされた以外に本心の御答弁をいただけるように、冒頭お願いを申しておきたいと思います。 さて、知事は、平成五年の十月に、県民の圧倒的な支持を受けまして本県のトップリーダーになられました。このとき知事は、「歴史の転換期に県政を担うことに感謝し、身命をなげうって職務の遂行に邁進することを誓う」というふうに、ここの壇上から表明をされたわけであります。そして、それから四年が経過をいたしました。いよいよ今任期中最後の議会を迎えたわけでございます。 しかし、私は、恐らく次の九月議会、知事はそこに再びお座りになって、徳島県のトップリーダーとして県政に取り組んでおられるだろう、一二〇%ぐらいそういう確率を私は意識をしておりまして、したがいまして、これからも引き続き徳島県政を担うという知事であるということを念頭に置きながら、いろいろと質問をしてまいりたいと思います。 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、ぜひひとつ、ここでこういう答弁したら後でこやって響くんじゃないかとか、こういうことをうかうか言いよったら中央省庁の東京の空がちょっと曇るんじゃないかとか、そういうふうなことはひとつどっかへ置いといていただきまして、文字どおり県民に向かって疑問にお答えをいただきたいなと思います。 まず最初に、私は交通事故の、特に死亡事故につきましてお伺いをしたいと思います。 全国では、一万人も余っての人が、大体年間に交通事故で亡くなられております。本県におきましても、八十人前後の方々がこの交通事故で亡くなられております。特にことしは死亡事故が多発をしておりまして、今日段階で五十二名のとうとい命がなくなっております。昨年と比べまして十五人多いと、こういうことでございます。また、重体とか重傷事故、こういうものも大変ふえておりまして、徳島県も大体全国の一%を上下推移をしておる。具体的には七百五十人もの人が重体、重傷と、こういう事故に一年間で遭われておる。まことに惨々たる状況でございます。特に六十五歳以上の高齢者の方々が大変犠牲になられておりますが、まことに悲しいことでございます。同時に十六歳から二十四歳ぐらいの若者の死亡事故も大変多発をしております。大体、統計的に見ますと、六十五歳以上の方が死亡事故で三〇・八%、十六歳から二十四歳の方が二〇%近くと、こういう状況になっております。 高齢者の方々の場合は、主として何らかの事故に巻き込まれて亡くなられるという事例が多いわけでありますが、若者の場合は、御承知のように、文字どおり無謀運転が大体中心になっておりまして、どこの用語かわかりませんけれども、自爆という事故だそうでございますけれども、こういうことで大変多くの死亡事故が重なっております。 この若者たちの死亡というのが、文字どおり交通法規、これを遵守しておればほぼ起こらないケースが圧倒的であろうというふうに思うわけでございます。したがって、交通法規守っとらんから死んだとか、飲酒運転だったから死んだんじゃないか、あるいは暴走行為をやっとったから仕方ないわと、こういう見方というのもあるかもわかりませんけれども、私は、この近代国家といいますか、これだけ経済発展を遂げ、世界のリーダー的役割まで果たしている日本の国の中で、交通事故でこのように若い人たちが命を断っていくということは、これはまあ年齢は問いませんけれども、非常に残念なことだ、何とかこれらの少しでも死亡事故をなくしていく方法はないのかというふうに考えるわけであります。先ほども触れましたように、交通法規を守るというのが、まず大前提ではありますけれども。 実は、昨年、一昨年と潜水橋でたくさんの死亡事故が起こりました。このときに、管理者であります県の土木部あるいは建設省、こういうとこは大変まあ本来潜水橋に設置してはまずいんではないかという高さの防護のための施設をつくられまして、幸いにして、その後潜水橋での死亡事故は起こっていない。一定の効果が出てきたと、こういうふうに思うわけでございます。 この死亡事故を見ておりまして私が感じますのは、ついせんだって沖洲のマリンピアでも、一台の車が電柱に衝突をしまして、もちろん道路上ではありませんで、港湾施設の中ということのようですけれども、一人の若者が亡くなりました。あるいは全く同じ場所、恐らく二十メーターか三十メーターしか離れておりませんでしたが、そこで、これも暴走運転しておりまして、車がスリップしてバックをしていって海の中へ落ちまして、徳島大学に奈良県から来ておりました若者二人が、不幸にして亡くなりました。こういうとこで遊び半分に車を運転していたことが最大の原因でありますけれども、しかし、それいけないと言っても、やはりそう簡単にやまるわけではありませんし、この年代というのはやはり、我々もそういった経験がありますが、どうしてもそういうスリルを味わうといいますか、何らかに挑戦をしてみたいということがありますので、そういった無謀なことがたびたびやっぱりあるわけであります。 私は、無謀なことをやってた、あるいは飲酒をやってたということで亡くなって、やむを得ないということではなしに、何とかこれを防ぐ方法ないか。 せんだって、実はテレビを見ておりましたら、欧米といいますか、アメリカや、あるいはドイツあたりの交通安全施設が出てまいりました。ガードレールに仮にぶつかりましても、そのガードレールが非常にやわらかくできておりまして、外れてしまうわけではありませんけれども、たわんで車をその一定のとこから外へは出さない。そして車は傷むんですけれども、中の人間については非常にやわらかい、衝撃を抜くような構造でつくられておりまして、そういうのを実験ないしは現場の写真を映しておりました。 あるいは、日本にもそういったものが──ガードレールはありませんけれども、日本には、皆さん御承知のように、高速道路などにおいて分岐点でありますとか、中央の分離帯のようなところにはクッションドラムというのが設置をされております。私はこれをぜひ一般道路にも、特に交通量の多い、あるいは若者たちが暴走などのしやすいところというのは、ほぼ見当がつくわけでございますから、こういったところには極力そういうものを備えていくということが必要なのではないか。繰り返しますけれども、暴走運転やってたから死んでも仕方ないということで片づける時代ではもうなくなっているというふうに思うわけであります。 そこで、この間十年間ぐらいの死亡事故の中で、防護さくにぶつかって死んだ方は三十八人、電柱にぶつかって亡くなった方が三十五人、家屋の塀などにぶつかった人が二十三人、道路標識等のいわゆる支柱にぶつかって亡くなった方が十四人。これだけの方が、実はここ十年間ぐらいの間に、何らかの道路交通安全のために設置したものに実はぶつかったりいろいろしまして亡くなっているわけであります。まさに交通安全の施設が実は凶器に変わっているということも言えるんではないだろうか。 私は、そこで、ガードレールにつきましては、ひとつ今後、今すぐ何とかできるというもんではないと思うんですが、県は、来年度の施策提案型の要望の中に、信号機の全国化、阿南の何とかいう企業でありましたが、あそこでつくっております信号機を全国に設置をしてはどうかと、こういう施策提案をされております。私はぜひ、これも大変大切なことでありますが、ぜひ実現方を希望しておきたいんですけれども、ガードレールにつきましても、今後日本国においても、そういったものを設置していくというためのやはり研究ということを政府に、あるいは関係機関に強く要望して、徳島県の政策として提案するべきではないか、こういうふうに思いますので、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 それから、道路標識あるいは案内標識、信号機等々、一体徳島県で主要幹線にどれくらいあるのかというのもちょっと調べさせていただきました。道路管理者がつくっておるものが一万九千六百十本と、こういうふうに実は報告をいただきました。公安委員会が設置しているものが二千六百八十三本ということでございます。もちろん、植え込みの中にあったり、既に一定の防護さくの中にあったり、いろんな状況は違いますけれども、皆さんも走っておられてよくおわかりだろうと思うんですが、大変むき出しになっておりまして、危険なこういった道路標識の支柱などがございます。こういったのを、もし、先ほど言いましたクッションドラムという、これ見ましたら、単価は大体約三万円ということになっております。このクッションドラムが一個三万円ということで計算をしますと、先ほど言いました道路標識や、公安委員会が設置されているものを合わせまして、大体一カ所二本ぐらいの計算でしますと、二万二千三百本ぐらいになります。したがって、三万円でいきますと、六億七千万ぐらいの実はお金が要るわけであります。これは一〇〇%設置する必要もありませんし、これらを移転して適切なところへ持っていくということもできるわけでありますが、いずれにしましても、県の当初予算の一・二%程度があれば、一〇〇%設置ということになるわけでありまして、私は、「人の命は地球よりも重い」と、こういうふうによく言われておりますが、交通事故で亡くなっても当然そのことは同じであります。ぜひ県費を一定程度割きながら、ひとつこの交通死亡事故を抑止をしていくために、一刻も早くこういった施策をとられますようにお願いしておきたいと思うんです。ぜひ御見解を賜りたい。 それから、港湾施設の転落事故でありますが、これも大体潜水橋と同じように十五センチというのが、何か聞くところによりますと、港湾の技術基準というもので示されているようであります。しかし、これは法律でくくられているもんではありませんから、そこで荷役等する人のためにこういう一定の基準が定められているんだろうと思いますが、私はぜひひとつ、今後こういった悲しい事故を再発をさせないために、海に面しております車どめの十五センチというものをもっと高いものにかさ上げをするべきではないか。できれば、潜水橋のような高さにしまして、当然そこで荷役する人たちの一定のなれが必要であろうと思いますけれども、相手は歩いている人たちで、車の方というのは非常にスピードが出ておるわけでありますから、ぜひこういったこともひとつ検討いただいて、今後早いうちに設置をしていただきたいなというふうに思うんですが、御見解をいただきたいと思います。 それから次に、先ほど木村先生の方で、明石海峡大橋がかかることに伴います離職者対策について議論がありました。繰り返して私も申し上げませんが、ただ一つ、副知事に伺っておきたいと思うんですが、先ほど副知事は、「全力を挙げて取り組んでいく」というお話でございました。しかし、結果として離職者が路頭に迷う。この間の新聞にも載っておりましたように、子育てもこれではできない、家庭も崩壊すると、こういう悲痛な叫びがございます。せんだって座り込みをしておられました海員組合の人とも直接お会いして話をさせていただきました。あの人たちが訴えますのは、自治体も、国も、確かに手だてをしてくるために提案があると。例えば自治体へ入りませんか、そのときに、「普通のテストを受けて入ってください」と、こういうお話だそうであります。この間も新聞紙上にも載っておりましたけれども、五十を超えるような方々が圧倒的な状況であります。若者と一緒に普通のテストを受けて、彼らをしのいで合格というのは、なかなか至難のわざではないだろうかと私は思うわけであります。ぜひ、実は国鉄の民営化、これは知事も運輸省でおられて、ひょっとしたら手がけておられたと思うんですが、このときには国鉄職員を自治体が一定程度の人数を抱えていくと。文字どおり、テストも何もなしにこれはそういうことをとったわけであります。ぜひ私は、この国鉄方式をこの港湾の関係者、特に航路関係の船員、陸員の皆さん方、あるいはその関係施設で働いておられる方々にも適用していくべきではないか。御見解をいただきたいと思います。 それからもう一つは、実は、本四連絡橋架橋対策委員会というのがかつてございまして、この方々と徳島県の武市知事が、昭和五十一年ですけれども、六月十七日にこの離職対策についての覚書といいますか、必ずしも離職対策とは書いておりませんが、本州四国連絡橋建設に関する覚書ということで協定を結ばれております。先ほど木村先生の質問に対して、政府の方で法律もつくっているし、こういうことをやっているという御答弁は副知事の方からありましたけれども、本県がこの本四連絡橋架橋対策委員会の方と覚書を交わして中身を見ておりますと、離職を余儀なくされる場合には、その雇用の保障に責任を持って対処する、こういうふうに徳島県知事の判こが座っているわけであります。私はぜひこの雇用対策、特に本四連絡橋架橋対策委員会の方と交わされた覚書というのは、圓藤知事の時代にも不動のものなのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。 御答弁をいただいて、次の質問に移ります。   (滝沢副知事登壇) ◎副知事(滝沢忠徳君) 明石海峡大橋完成に伴い離職を余儀なくされる方々の再就職への県の対応につきましてお答えを申し上げたいと思います。 本州四国連絡橋神戸─鳴門ルートの全線開通があと九カ月となり、生活利便の増大や経済発展に期待が高まる一方におきまして、本県の交通輸送に重要な役割を果たしている旅客船事業並びに港湾運送事業が、海上輸送から陸上輸送にシフトすることに伴いまして、またこの影響を受けまして、事業の廃止や縮小などによる旅客船や港湾関係従業員の雇用問題がクローズアップされてきているところでございます。 旅客船及び港湾関係従業員の雇用対策につきましては、先ほどの木村議員の御質問にもお答えいたしたところでございますが、運輸局、本四公団、事業者及び関係自治体が一体となりまして対策に現在取り組んでいるところでございます。 しかしながら、現在の厳しい経済・社会情勢のもと、離職者の職域開拓、受け皿創出ということは非常に困難なものがございますが、本県といたしましても、これまでにおきまして市町村や県内企業に対しましても、本四雇用問題について御理解をいただくため説明会を開催いたしたり、あるいはまた企業を直接訪問いたしまして、受け皿創出への御理解と御協力を要請するなど、できる限りの努力を重ねてきておるところでございまして、今後とも国、本四公団及び事業者に対しまして雇用対策に万全を期すよう要請してまいりますとともに、関係の府県市と連携しながら、できる限りの努力をしてまいりたいと考えております。 また、御指摘がございました港湾運送関係の離職者対策につきましては、大鳴門橋開通の時期に、県、港湾事業者などが出資をいたしまして、本四公団業務の受託を主な業務とする受け皿会社を設立いたしまして、離職者の雇用の場の確保を図ってきております。今後とも、この受け皿会社の業務拡大に積極的に取り組み、雇用の増につなげてまいりたいと考えております。 それからまた、御質問の中に、国鉄民営化の際の例を引き合いにされまして、県職員の採用についてのお尋ねがあったわけでございますが、御案内のとおり、県の職員の採用につきましては、地方公務員法に定める成績主義の原則があるわけでございまして、したがいまして、募集の情報についてはお知らせをいたしてまいりますが、優先的な採用は困難であると、このように考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、本四連絡道路全通に向け、残された時間は多くないと認識いたしておりまして、今後とも本四雇用対策に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。   〔平岡議員退席、出席議員計三十九名となる〕   (桂樹土木部長登壇) ◎土木部長(桂樹正隆君) まず、交通死亡事故削減に向けての交通安全施設の改善等についての御質問でございます。 交通安全施設等の整備は、これまで二次にわたります交通安全施設等整備事業三箇年計画、五次にわたります五箇年計画を実施してきており、その結果、昭和四十年代と比較いたしますと、事故死者数、事故件数とも大きく改善されてきております。しかしながら、近年交通事故による死者が一万人前後を推移するなど、憂慮すべき状況となってきております。 このような状況に対処するため、平成八年度を初年度といたします第六次交通安全施設等整備五箇年計画におきましては、引き続き自転車・歩行者道等の整備等を行うなどとともに、新たな取り組みといたしまして、事故多発地点をピックアップをいたしまして、これまでの事故データに基づきその原因を科学的に分析した上で有効な対策を講じるなど、事故特性等に即した対策がなされることとなっております。 本県におきましても、今年度、徳島県交通安全協議会の中に「交通事故防止対策部会」が発足をいたしまして、道路管理者、警察、心理学者等、各方面の専門家が直接現場に赴き、交通事故原因の調査・分析・検討等を行いまして、必要な交通安全対策を関係機関に提言することにいたしております。 今後、道路管理者といたしまして、この部会の活動に協力いたしますとともに、具体的な提言がなされた場合には積極的に対策をとるなど、事故現場ごとのきめ細かな対応をしてまいりたいと考えているところでございます。 次に、道路案内標識、道路照明灯の支柱設置位置等についての御質問でございます。 現在、県管理道路には、道路案内標識が約四千二百基、道路照明灯が約六千六百本ございます。御指摘のように案内標識、照明灯などの支柱への衝突事故で死亡するケースが発生いたしておりますが、これらの事故は無謀運転等による運転者の過失によるものが多いと考えられます。しかしながら、事故による人的・物的被害を少しでも軽減させる観点から、先ほど申し上げました交通事故防止対策部会における取り組みを活用するなど、事故原因の科学的分析に努め、必要な安全対策を講じてまいりたいと考えております。 なお、クッションドラムの設置につきましては、大きな設置スペースを必要といたしますことから、歩道や車道の機能を阻害したり、新たな事故原因を生み出すことにもなりかねないなど、その使用可能な範囲はおのずから限定されてくるものであるかなというふうに考えているところでございます。 次に、ガードレールにつきましての御質問でございます。 ガードレールは、主として走行中に進行方向を誤りました車両が、道路外や対向車線、あるいは歩道等に逸脱するのを防ぐとともに乗員の傷害及び車両の破損を最小限にとめること等を目的として設置するものでございまして、その素材、構造、設置方法等につきましては、防護�V設置要綱に定められております。徳島県におきましても、この要綱に基づいて設置をしておりまして、これまで車両の転落防止や、運転者・歩行者の安全確保に大きく寄与しているものと考えております。 しかしながら、近年の車両の大型化、スピードアップの傾向を踏まえまして、国やガードレールメーカーにおきまして構造等についての新たな研究が進められると聞いております。 このため、県といたしましては、このような研究の動向を見守っていくなど、情報収集に努めてまいりたいと考えております。 次に、港湾の岸壁におけます車どめをかさ上げしてはどうかとの御質問でございますが、岸壁における車どめは、荷役機械や車両通行の安全確保のために設置されるもので、荷役関係者等が当該設置箇所に水際線があることを容易に識別できるものとし、現場に応じ耐久性等を考慮して選定いたしております。 本県の岸壁につきましては、木材荷役等の特殊な場合を除きまして、国が標準としております高さ十五センチの車どめを使用いたしております。また、しま模様の発光塗装をするなど、施設利用者の警戒・安全を促しており、通常の利用に対しては安全であると考えております。 一方、マリンピア沖洲での暴走行為等による車両の転落防止策といたしまして、警察とも協議の上、夜間の埠頭内への進入を防止するため、より強固なバリケードの設置を行っているところでございます。 今後は、より安全を期するため、特に危険と思われますコーナー部や、道路が岸壁に直角に交差するような箇所等につきましては、岸壁の使用方法も考慮の上、現在より大型の車どめの設置に努めてまいりたいと考えております。   (小野警察本部長登壇) ◎警察本部長(小野正博君) 工作物等に対する事故対策につきまして、公安委員会関係について若干御説明申し上げたいと思います。 先ほど議員が御指摘ございました、過去十年間の道路上の工作物等への衝突死亡事故が、路外の家屋や塀等も含めまして百三十六件あるわけでございますが、そのうち、公安委員会管理に係る信号機や標識柱への衝突死亡事故は、調査可能な平成五年以降のもので見ますと、六件発生しておる状況でございます。 これについて分析いたしますと、その原因は、運転者の飲酒、大幅な速度違反、無理な追い越し等、無謀運転によるものが多く、またシートベルトを装着していれば助かった可能性が高いものが大半であるということも事実でございます。 このようなことから、県警察といたしましては、死亡事故の直接的原因である飲酒・暴走運転等、無謀運転者に対する取り締まりを行い、また一方、シートベルトの着用の推進に努め、死亡事故の抑止に努めているところであります。 ただ、その一方、公安委員会の管理の信号柱等の、一部ではございますが、緩衝効果のある反射材を取りつけて夜間の事故防止に努め、また死亡事故が発生した場合は、事故現場等の実情調査に基づきまして、事故防止の観点から必要がある場合は工作物への緩衝材の取りつけや、ガードレール、チャタバーン等の設置や交差点形状の改良等について道路管理者に要望し、あるいは協議をしているところでございます。 特に、昨年多発しました潜水橋からの転落死亡事故の対策につきましては、道路管理者とともに事故防止対策に取り組んでまいったところでございます。 ただ、念のために申し上げておきますが、最近は車自体もシートベルト等のほか、たとえ衝撃を受けても室内スペースの確保できるような、そういう車が開発されてきております。また、クッションドラムも一定の結果があるものでありますが、ただ、その性能にもやはり限界があるわけでありまして、これは六十キロメートル程度のスピードで走ってますと、四十五キロメートル程度でぶつかった程度にその衝撃を減殺するわけでございますが、ただ、安心して百キロを超えるようなスピードで走りますと、実はぶつかりますと、ほとんどその効果がないというのも、実はこういう緩衝材の問題点も現状のところあるわけであります。その意味では、やはり基本につきましては安全運転に努めていただくということが、やはり最も肝要であろうというふうに考えておる次第であります。 警察といたしましては、今後とも死亡事故抑止の観点から、工作物等に対する安全対策の推進についても努力してまいりたいというふうに考えております。   (大田議員登壇) ◆三十番(大田正君) 副知事の御答弁、ちょっと聞き漏らしておりまして、確認をしておりました。 いずれにしましても、さきの二つの質問に対して理事者から御答弁いただいたわけですが、極めて不満な点ばかりでございますので、またそれぞれしかるべきところで議論をしていきたいと思います。 次の質問に移っていきたいと思うんですが、細川内ダムの関連につきまして、大変恐縮ですが、微に入り細にうがつ質問をさせていただきたいと思うんですが、その前に、実は私は、圓藤知事が誕生しましてから、この席に五回、多分登壇したと思います。そのうちで三回、細川内問題を議論をしました。一番最初のときには、「何が何でもやるということではなく、やらない場合もあるよ」、こう知事は答弁されまして、大変マスコミさんをにぎわしたんでありますが、すぐその答弁した直後に記者会見をしまして、いろいろ言葉を濁されたと、こういう経過もあります。あるいは平成七年の二月では、これは平成六年の十二月でしたが、原議員の方からも御提起がありましたけれども、那賀川流域全体で治水・利水、あらゆるものをもっと考えて円卓会議を持ってはどうかと、こういう提案を原さんの方もされましたし、私もしました。しかし、今はそんな時期ではないと、こういうことで突っぱねられてきました。また、平成七年九月におきましても、こういった細川内ダム審議委員会というものがいよいよできたと。その中で、委員について、木頭村が主張している、やはりちゃんと木頭村などとも相談をしながら委員というのは選考しなきゃならんのではないか。それが公平なやり方ではないのかと、こういうふうに申し上げてまいりましたが、一切聞き入れていただけませんでした。 私は、なぜ今日になって知事は、私どもがかつて提案をし、いろいろ御提起してきたことを拒否されておりまして、今日になって急転直下、このような細川内をめぐる知事のいわゆる姿勢に変わられたのかということが、真意がよくわかりません。そこのとこをひとつお聞かせをいただきたいと思います。 さらに、細川内ダムと第十堰両方に大変大きく関係をするわけでありますが、河川審議会の答申が、昨年の六月、あるいは十二月四日には、より具体化されたものが提起されているわけであります。知事は、日本の河川審議会の委員さんであります。この河川審議会の答申をどのように認識をされているんでしょうか。今までの河川行政とこれからの河川行政というのは、この河川審議会答申ではどのように変えなきゃならんというふうに書かれている、あるいは答申がされたというふうにお考えなのか、御答弁をいただきたいと思います。   〔平岡議員出席、出席議員計四十名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 過去の県議会における円卓会議の御提案とか、あるいは審議委員会での白紙等の議論がその時点では困難だと答弁をしていたのに、今の時点でなぜ受け入れられるのかというような御質問についてであります。 県といたしましては、細川内ダム建設事業審議委員会の設置に向けまして、これまでの県議会における御議論や御提言を念頭に置きながら、村長に対しまして委員就任の要請を粘り強く行ってきたところでございますが、長期にわたりまして、村長が審議委員会に参加していただけないという異例の事態が続いてきたわけでございます。しかし、これをこのまま放置しておくわけにはいかないと。私自身、もちろん円卓会議だとか、あるいはそういった問題につきましても考えないわけではありませんでしたけれども、この審議委員会での議論というのは、かなり科学的・技術的な議論なんですね。ですから、この周辺の那賀川流域の町村長さんが集まっても、なかなか私どもも含めまして、そう細川内ダムそのものについての科学的な知見というものを十分有しているわけではありません。ですから、やはり専門家の方々で構成するこういったダム審議委員会といったものを設けて、その中で議論していく必要があると私は考えておるわけでございます。 そういうようなことがございまして、今までは委員の人選、私、実は最初は、第十堰審議委員会の委員の皆さんと同じメンバーの方に細川内ダムについても、おおむね同じメンバーの方にですね、御就任いただくということで御提案をしておったわけでございますけれども、それが不公平だという議論が、どうしても私は不公平だと思わないということを申してきたわけでございますけれども、そういったことをいつまで言ってても、なかなか突破口は開けないということを十分認識をいたしまして、そういった異例の事態を打開するために、村長から示された委員就任のための要望等に対しまして、村長の意向を十分踏まえまして、誠心誠意、できる限りの内容でこのたび回答させていただいたものでございますので、御理解を賜りたいと思います。 それから、河川審議会の答申に対する見解についての御質問でございます。 河川審議会におきましては、水管理における総合性の欠如、頻発する渇水、悪化する河川環境等の河川整備における現状と課題を踏まえまして、二十一世紀の社会を展望した今後の河川整備の基本方針についての答申を昨年六月に行い、同じく十二月にこれを具体化するための社会経済の変化を踏まえた今後の河川制度のあり方についての答申を行ったところでございます。この中では、健康で豊かな生活環境と美しい自然環境の調和した、安全で個性をはぐくむ、活力ある社会の実現を目指すために、流域の視点に立って、人と水とのかかわり合いを再構築することを河川整備の目標とし、これを実現するための基本的方向を定めております。 また、これまでの治水・利水に環境を加えた三つの柱のもと、生物の多様な生育環境に配慮した整備を進めていくとともに、河川管理者だけじゃなくて、地方公共団体や地域住民との役割分担を明確にし、それらの意向を反映させるなどの必要性も示されているところであります。 このような一連の河川審議会の答申につきましては、過日成立をいたしました新しい河川法に反映されているところでございまして、私といたしましては、新しい河川法や河川審議会答申を踏まえた川づくりを進めてまいりたいというふうに考えております。 細川内ダム建設事業審議委員会は、那賀川全体の治水・利水・環境につきまして、細川内ダムはもとよりでございますが、代替案も含めて公平かつ公正な立場で客観的、科学的に幅広く議論する場でありますとともに、地域住民の意見を反映する場でもありますことから、河川審議会の答申に沿ったものであるというふうに考えているところであります。   (大田議員登壇) ◆三十番(大田正君) 時間がありませんので、逐一反論というわけにもまいりませんけれども、私は、木頭村長さんが長期にわたってこのままでは審議委員会には参加してくれないというふうなことを思いましたから、審議委員会に参加をしてもらうためには、少なくとも半数の委員を村長に選ばすとか、あるいは県の最重要要望事項からはやはり当面外しておくべきだというふうなことを言ってきたわけであります。このときにそのことが実現しておれば、細川内ダムの審議委員会は恐らく六、七回もう開かれておったんではないかなという私は感をしているわけですが、申し上げておきたいと思います。 それから、河川審議会の答申の見方につきまして、知事からるる御見解がありました。私は、それはそれでほぼ了解するわけでありますが、ただ、知事が先ほど──次の質問にもう移っていきます。先ほど知事の方から、細川内ダムの審議委員会の設置については、非常に科学的、技術的な議論というものが深く潜行してやられると。したがって、流域の市町村の方では、対応できないとまでは言わなかったんですが、非常に難しいと。私自身も余り知見を有していないと、こういう御発言でありました。 さて、細川内ダムのこの八項目に対する御答弁を見ておりますと、この審議委員会が一体何人で構成されるのかというのが、私はよくわかりません。学識経験者も含めて一体どうなるんだろうか。この人数もひとつ知事のお考えを聞かせていただきたいな。 それから、ダム等について知見を有する専門学者と、こういうことも書かれておりますが、これについては当然ダム等の専門学者が必要でありますけれども、同時に、先ほど知事が表明されました河川審議会、あるいはせんだって成立しました河川法の改正、こういうのを見ておりますと、環境の、河川環境といいますか、そういう専門学者の先生にも入っていただくというのが当然必要なのではないかというふうに思うんですが、知事の御見解を賜りたいと思います。 次に、この八項目の答弁の中で、時間がありませんので、国道の改良部分についてお伺いをしておきたいと思うんですが、大型バスを通行させるために、二・二キロ区間が今非常に狭隘であると。したがって、その間を改良すれば何とか高知に向けて大型バスを通すことができるんではないか、こういうお話でございました。ここが改良できないという理由は、細川内ダムが仮に設置された場合に、二重の投資になる、こういうふうに言っておるわけであります。 さて、皆さん御承知のように、細川内ダムの設置場所から下流、上流も含めまして、実は細川内ダムができることによって二車線に改良できてるとこが四・七キロも実はつぶさなきゃならんということになっております。トンネルもふさがないと水が漏れると、こういうことでございますから、まあそういう意味じゃ二重投資は先にしてしもとんなあという私は感もするわけですけれども、いずれにしましても、木頭村にとりましても、あるいは徳島県にとりましても、この道というのは高知に抜ける、あるいは高知から来られる非常に重要な路線でありますから、私は至急にこれを改良するというのは当然の話ではないか。この際ひとつ、いついつまでに改良してしまうという年次を御報告を、御答弁いただきたいなと思います。 それから、ちょっと忘れるとこだったんですが、那賀川全体の治水・利水・環境について、細川内ダムはもとより、代替案も含めて幅広い議論を今後していきたいと、こういう八項目に対する御答弁があります。私は、那賀川の代替案というのを県当局はどういうものをお考えになっておられるのか、お聞きをしておきたいと思います。 御答弁をいただいて、次の質問に参ります。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 私の方からは、細川内ダム建設事業審議委員会の委員の数、これについての御質問でございますが、この委員の数につきましては、まだ決まっておらないわけでございます。ある程度弾力的に決められるというふうに思っておりますし、今後の村長との話し合いの中で決まっていくものというふうに考えております。 それから、河川環境学者などの参加を考えてはどうかという御質問でございますけれども、細川内ダム建設事業審議委員会の学識委員につきましては、先ほどもお答えをいたしましたとおり、審議委員会設置に向けた村長との話し合いの結果として、当審議委員会におきましては、より専門的な議論を深める必要があることから、学識委員につきましては、原則としてダム等について科学的知見を有し、公平で客観的な判断ができる人としたものでございますけれども、今後の話し合いの中で、村長より河川環境学者の参加について申し入れがありますれば、検討していく必要があるというふうに考えているところであります。   (桂樹土木部長登壇) ◎土木部長(桂樹正隆君) 国道百九十五号の改良をいつまでにやるのか、年次を明らかにしてほしいとの御質問でございます。 国道百九十五号の木頭村折宇から西宇の約四・一キロメートルの区間は、ダム建設に伴います水没の可能性がある区間でございますが、当該区間は地域の重要な生活道路でもあり、安全な通行の確保は道路管理者の責務であるとの認識から、現道対策として、これまでにもヘアピンカーブの改良、待避所の設置等を行い、交通の隘路の解消に努めてきており、現在までに約一・九キロメートルが改良済みとなっております。残る約二・二キロメートルの改良につきましては、大型バスの通行が困難で交通の隘路となっている六カ所、約七百メートルから緊急に整備する必要があると考えており、このうち平成九年度中に約二百七十メートルの改良が完成する予定でございます。 議員御質問の完成年次についてでございますが、当該区間の具体的な工法検討等に相当の日数を要すること、また今後の予算の動向が不明確な状況下にあること、用地取得の難易度が不明なこと等、不確定な要素が多く、現時点で完成時期を明示するのは困難な状況でありますので、御理解を賜りたいと存じます。 いずれにいたしましても、村の全面的な御協力を得ながら、残る区間につきましても、鋭意改良を進めてまいりたいと考えております。 それから次に、細川内ダムの代替案につきまして、今県ではどのようなものを考えているのかと、こういう御質問でございます。 これまでのところ、この細川内ダムの代替案につきましては、具体的なものが示されたという事例はございません。私どもといたしましては、今後設置されます審議委員会の中でこういった提案がなされまして、具体的な議論がなされていくと、このように考えているところでございます。   (大田議員登壇) ◆三十番(大田正君) 御答弁いただきましたが、細川内ダムの審議委員会に木頭村長が提案をしてくるんだったら環境学者というのも検討していきたい、こういう御答弁でございました。 私は、それはそれでいいと思うんですが、ただ、知事も河川審議会の委員として、この間議論もされただろうし、あるいは第十堰の審議を見ておりましても、やはりこういったことが必要であるということは、つくづくお感じになっておられるから先ほどの御答弁にもなってると思うんですね。ですから、木頭村から言うてくればということよりも、私自身もやはり環境の学者も必要だろうと思うという御答弁が、実はいただきたかったということを申し上げておきたいと思います。 それから、細川内ダムにつきまして代替案、これ土木部長の方から御答弁ありましたが、県から木頭村に答弁をしてる文書の中に「代替案も含めて」と書かれとうわけですよね。木頭村の方からも、「代替案も含めて審議するのか」と、こういう問いであったかもしれませんが、県の方から木頭村に対して、「代替案も含めて議論しましょう」と、こう言っとるわけですから、代替案については提示がないから今のところわかりませんやいう議論、成り立ちますか。代替案は県も持っとるんではないんでしょうか。持ってなくっても、少なくとも予測はついとんじゃないですか。木頭村に対して八項目の答弁をされるのに、代替案も含めて、細川内ダムはもちろんのこと、代替案も含めて幅広く議論しましょうと答弁しとんですよ。そしたら代替案も、県の方としてもこういうこういうことは代替案として議論になるだろうなぐらいのことは持っとるんじゃないですか。それ何にも、木頭村から提案がないから代替案は知らんやいうんでね、代替案についても議論しましょうやいうんは、ちょっと私は無責任じゃないかなと思いますよ。 私ね、まあ時間の関係もありますから余り、これはまたそれぞれ水資源の特別委員会ででも議論を詰めていきたいと思いますけれども、ひとつ今後我々考えなきゃならんのは、やっぱり最悪どうがこうでも、いろんな角度から議論をして、どうしても細川内ダムが必要であるというんならね、それは専門学者なり環境学者なり、あらゆる角度から議論して、仕方ないと思うんですがね。しかし、村があれだけ長い間、やっぱり全村挙げて反対してるわけですから、それにこたえれる代替案というのも、我々もやっぱり真剣に考えてみなきゃならんと思うんですよね。 私は、特に下流域で洪水と渇水という問題が提起されとるわけですから、ぜひ今後は、例えば那賀川なり、阿南市なりの、圃場整備などをやってるちょうどそのときに、巨大な地下ダムをつくるとか、そして湛水をそこにためておくと。それを異常渇水のときには使っていくとか、いろんなことを、これは都市部ではもう既にやっとるようなことですから、考えていかなきゃならんなというふうに思っております。これはまた、それぞれ水資源の特別委員会等で議論します。 次に、第十の審議委員会の問題につきましてお聞きをしたいと思います。 この間、審議委員会が六回、それから公聴会が五十余名の方ですか、いろいろ御意見を述べられました。専門学者の先生方も、お二人の学者から議論がございました。私は私なりに、この議事録等を読ましていただいておりまして、いろいろ考えるところはあるんですが、知事は、この六回の審議委員会あるいは専門学者先生の御意見、公聴会ですね、こういった全体の流れを見まして、第十堰審議委員会というのをどういうふうに総括を、現在時点でされておるのかということをお聞きしておきたいと思います。 それからもう一つは、本日の木村先生、北島先生の御質問にもありましたけれども、依然として知事は、可動堰がやはりいいんだということを、あらゆる角度で検討されて、可動堰がいいんだと、こういうふうに言われておりまして、したがって、そういう意味では三月四日の記者会見のときの御発言がそのまま生きておるんだろうなと、こう思うわけですが、そういうことで御確認をさせていただいてよろしいもんでしょうか、御答弁をいただきたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 第十堰改築に対するこれまでの審議委員会の審議内容を総括をしてどう思うかというような御質問についてでございます。 吉野川第十堰建設事業審議委員会につきましては、事業の目的や内容等につきまして、地域の意見を聞くために設置されまして、既に二年近くを経過をいたしております。 審議委員会におきましては、現在までに六回の審議委員会、三回の公聴会のほか、二回の技術評価報告会を開催するなど、地域住民はもとよりでございますが、河川工学等の専門学者の方々まで、幅広くいろんな意見を聴取いたしますとともに、建設事業に関します具体的な資料やデータに基づきまして、公平かつ公正な立場で客観的、科学的に審議がなされてきているものと考えております。 今後は、これまでの検討結果を踏まえまして、審議委員相互の間で活発な議論がなされまして、当初の審議委員会の目的に沿った運用がなされていくものと考えております。 それから、学者の発言、住民の公聴会等、総合的にとらえて、まだ可動堰がベストだと考えているのかという御質問についてでございますけれども、現堰の老朽化の進行、そしてまた固定堰に加え、斜め堰であるがゆえのせき上げや異常な深掘れなど、現堰が抱えております治水・利水上の諸問題を解決する必要があるわけでございます。 午前中の木村議員の御質問にお答えしましたように、私といたしましては、これまでの審議委員会や公聴会における御議論や御意見、また吉野川下流域の一市七町の促進決議など、さらには去る二月定例県議会での御議論や議決された意見書等を総合的に勘案をいたしまして、流域住民の生命及び財産を守り、また環境を保全するという立場から、現段階におきまして、環境に十分配慮した可動堰に改築すべきであると考えているところであります。   (大田議員登壇) ◆三十番(大田正君) 御答弁をいただいたわけですが、第十堰は、この間客観的、科学的に審議が十分されておるということでございます。 私、知事が三月四日の記者会見の中身を、今もそのとおりだという御所見であれば、きょうの議会でも発言があったと思うんですが、きょうはなぜか科学的という言葉でなしに、信念というふうに言われておるんですね。信念を持って私は可動堰がいいんだというふうに思ってると、こういうふうに言われておりまして、しかし、今、科学的に私はそう思うと、こういうことでございますから、ついては、この間うちの、特に私が重視したいといいますか、しなきゃならんと思うんですが、専門学者の技術報告ですね。これ知事も当然審議委員さんで、お聞きになられていると思うんですけれども、可動堰、建設省案がよりベストだというふうに言われた専門学者の先生は四人いらっしゃいますね。いや、現在の固定堰を何らかの形で修復して使えるんだよと、その方がいいんだというふうに言われた先生が一人いらっしゃる。もう一人の先生は、建設省のどうも可動堰上流における洪水時の計算は間違ってるじゃないかと。これで可動堰がいいとか、固定堰がいいとかいう結論は出せないというふうに言われて建設省に注文をつけられて終わった先生もいらっしゃいますね。ですから、そういう面からいくと、四対一対一ということで、可動堰、建設省案がいいよと言った先生が圧倒的多数ではあるわけです。しかし、これ県議会で議論して採決とるようなもんでは私ないと思うんですよね、これはね。非常に学者先生のお話ですから、あるいは重たい意見だと思うんです。 そうしますと、一体どういうふうにしてそれじゃこの学者先生方の御意見を精査するのかということがやっぱり問題になろうと思うんですね。知事は、先ほど来、審議委員会はこれからひとつ活発に議論を交わしてやっていくんだと。そこで一定の結論を、ひょっとしたら出るかもわからんなという感じでお話をされてます。 さて、知事が先ほどみずから言われましたように、那賀川流域の治水・利水・環境問題について議論するときに、下流のいわゆる首長さんや議員さん、知事自身も、私自身も含めてと、こう言いましたけれども、それぐらい、大変失礼な言い方ですけれども、知見で、学者先生が疑義を挟んだことを第十の審議委員会、議論出して結論出せますか。これね、第十の審議委員会だって、だれも専門学者いませんよ。皆さん素人ですよ、そういう意味では。大変失礼な言い方しますけども。このたび勉強はされたと思いますよ。思いますけども、自分がそういった河川工学なり、そういったものについて御勉強されている方はだれもいらっしゃらない。細川内でこういうことを結論出すためには、そういう人ばっかりではだめなんですと、専門学者が要るんです、環境も要るんですと、こう知事はおっしゃるんだから、当然第十堰も私はそうあるべきだと。 そこで、首を縦に振っておられますから、私の意見と一致しているんじゃないかと思うんですが……。 第十堰の審議委員会規約の中に、第六条の二項、「調査専門委員会を設置する」とありますね。これはいわゆる専門委員の先生方をお呼びになりましてね、徹底して、一つ一つ、専門学者が問題提起したことを検証していく。精査して、どの先生がおっしゃったことが本当に正しいのかというのを、もう一つの専門の方に御議論をいただくという、専門学者を入れての専門委員会の設置というのがあるんですよね。これは一回目の審議委員会で提案されて、そのことが確認されているわけです。私は、県民の疑問に答えるためにも、あるいは四対一対一となった専門学者先生の御疑問にも答えるためにも、ぜひ第十堰審議委員会はこの専門学者のいわゆる専門委員会を設置するべきだというふうに思うわけです。 さらに、これは知事の長良川を見てこられた御感想とか、それから河川審議会の答申内容あるいはせんだって成立しました河川法、こういったものが、今日までの河川行政と一つ大きく変わったのは、環境問題がやっぱりきちっと入ってきたということだと、こういうふうに言われておりますので、私もそう思っておりますが、環境問題をやはりより調査するために、私はこの第十堰審議委員会に環境関係の専門委員会も設置する必要あるんではないか。この間ぐち環境問題出されておりますのは、建設省がこの間やってこられた環境調査の結果でありますから、これは身内がやったことで、結論はどう出るかわかりませんが、少なくとも環境の専門学者先生方の専門委員会というのを設置する必要があるんではないか。それと、さきに言いました、いわゆる学者先生方の言われたこと、あるいは県民の疑問として持っておることに対して答えていくための専門委員会。そのために審議委員会の第六条二項に、調査専門委員会をつくることができると書いてあるわけですから、ぜひこれを今回は活用するべきだというふうに思うんですが、審議委員会のお一人としての知事の御見解をいただきたい。 それから、もう一点お聞きしておきますが、知事は、第十堰は可動堰でいいんだと、この方がよりベストだと、こういうふうに言われてはばからんわけであります。それは知事のお考えでありますから、とめることもできませんが、三月四日の記者会見見ておりますと、これはマスコミの方が仕掛けられたんかどうかよくわかりませんけれども、市民団体からは反論があるんじゃないですかと、こういう問いに対して、大いに批判してもらって結構ですよと。ただ、それは客観性、科学性を持ってやってくれと、こういうふうに知事はマスコミに御返事されてますね。これ新聞に、徳島新聞の第一面に載ってますから。三月五日の新聞ですよ。 私はそこで、このこと云々と言うわけじゃないんですよ。知事がね、今も可動堰に、断固として私はこれがいいと思っているというふうに繰り返し言われておるわけですから、それだけ御自信があるんでしたらね、知事はこの間、チャレンジトークで県下全域走り回ってるんです。いろんなテーマを基本にしてやっておる方々と知事は御討論されてる。私はね、この第十堰も、県民本当にみんなが注目してますよ。この問題でどう動くのか、どういう議論があるのかというのは、一番注目してるもんですから、県政上の私は最大の今、関心事になっていると思います。これについて、例えば知事と土木部長、あるいは河川課長、三人ぐらいが、市民団体の代表の方三人ぐらいと徹底して討論してみたらどうですか。科学的に、客観性を持って。自信がおありと言うんですから。私はぜひ知事選前に、そのことを知事が実行されますように希望して、御答弁をいただいておきたいと思います。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 確かに、技術検討委員会でしたか、学者先生が、六名でございましたか、四対一対一でございますが、最後のいろんな計算の方法について疑義を挟まれた先生方も、後になって、建設省からの報告で納得されたということを聞いておるわけでございまして、可動堰ということに対して決定的な疑義をおっしゃった方はお一人ということではないかと私は思います。 その方の御議論について、もちろん科学者として信念に基づいておっしゃったことでございますから、それなりに尊重しなけりゃいけないと私は思いますけれども、やはり科学的な知見の相違云々というよりも哲学の問題。つまり、洪水をもともと容認してもいいという判断に立つのかどうかという哲学の問題。そういったこととか、現実に吉野川でそういうことが、大熊先生でしたか、おっしゃっておられるようなことが可能かどうかということから考えますと、私のような素人であっても、なかなか先生がおっしゃっていることはとても実行不可能なことであるし、それからはんらんを容認するというような考え方自体が、県民の理解が得られるような考え方に基づくものではないと、私はそのように思うわけであります。ですから、わざわざ専門委員会という格好を開いてやるのかどうか、これは委員会で決定することでありまして、私がどうこうこの場で申し上げることではないというふうに思っております。 そしてまた、市民団体の皆さんとチャレンジトークというようなお話についてでございますけれども、私は各市町村におきまして県政報告会をずっとやっております。特に土・日にかけてやっておるわけでございますが、その場で第十堰の問題につきましても、なぜ私が可動堰と言うのかということについてるる御説明を申し上げておるわけです。そういう中で御質問も受け、それにお答えをしてきておるということを御配慮いただきたいと思います。 市民団体というような特定の方とですね、特別に議論を深めなきゃならないというふうには思っておりません。   (大田議員登壇) ◆三十番(大田正君) 時間を超過して申しわけありません。これで終わりたいと思います。 御答弁いただいたんですが、知事は哲学が違うと、洪水少々起こってもしゃあないやないかというような人との議論はね、聞いてもしゃあないわと。ほんな失礼なことはないですよ、知事。あなたよりは少なくともね、河川工学については勉強されとんじゃないでしょうかね。その人の提起ですから、やっぱりきちっと議論を私はしてみるべきだと思うんですよね。検証してもらうべきだと思うんですよ。 あるいは市民のこういったディスカッションに対しても、特定の人とて、知事、特定の人とやっとるじゃないですか。テーマを求めてやられておるグループとはチャレンジトークやっとうでしょう。第十に限ってはそれはできないというのはおかしいですよ。市民の人だって、県民の人だって、いろいろと疑問持ってるわけですから、注目してるわけですから。そして、知事がおっしゃるようにね、知事が一方的に市町村へ行ってですよ、第十はこうなんですよってしゃべれば、皆さん反論する人なんかほとんどいないですよ。知事の方が余計勉強されてんだから。だから、そういう意味では市民の、例えば吉野川シンポジウムの皆さんの議論と闘わしてみる。知事ね、それだけ自信がおありなんだから、ちゃんと受けて立つべきですよ。 まあ、きょうはここでおきますけれども、非常に中身としては不満の多い答弁ばっかりでございました。これからまたいろいろの機会を通じて議論をしてまいることを表明しておきます。 大変時間超過して申しわけありませんでした。御清聴ありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(木内信恭君) 議事の都合により、休憩いたします。      午後三時五十分休憩   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    午後四時十四分開議      出席議員計三十三名          (その番号・氏名左のとおりである)     一  番     岡  本  富  治 君     二  番     藤  田     豊 君     三  番     橋  本  弘  房 君     四  番     大  西  章  英 君     五  番     長  池  武 一 郎 君     六  番     森  本  尚  樹 君     七  番     谷     善  雄 君     八  番     山  田     豊 君     九  番     久 次 米  圭 一 郎 君     十一 番     冨  浦  良  治 君     十二 番     樫  本     孝 君     十三 番     来  代  正  文 君     十五 番     竹  内  資  浩 君     十六 番     長  尾  哲  見 君     十七 番     福  山     守 君     十八 番     西  沢  貴  朗 君     十九 番     吉  田  忠  志 君     二十 番     北  島  勝  也 君     二十三番     亀  井  俊  明 君     二十四番     遠  藤  一  美 君     二十六番     児  島     勝 君     二十七番     原     秀  樹 君     二十八番     川 真 田  哲  哉 君     三十一番     榊     武  夫 君     三十二番     平  岡  一  美 君     三十三番     四  宮     肇 君     三十五番     湊     庄  市 君     三十六番     木  村     正 君     三十七番     元  木     宏 君     三十九番     大  西     仁 君     四十 番     阿  川  利  量 君     四十一番     谷  口     修 君     四十三番     木  内  信  恭 君   ──────────────────────── ○副議長(木内信恭君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ──────────────────────── ○副議長(木内信恭君) 本日の会議時間を延長いたします。   ──────────────────────── ○副議長(木内信恭君) 四番・大西章英君。   〔庄野・猿瀧・中谷三議員出席、藤田・大西(仁)両議員退席、出席議員計三十四名となる〕   (大西(章)議員登壇) ◆四番(大西章英君) 私は、徳島開政会を代表いたしまして、県政の重要課題、また注目事項について質問をさせていただきたいと思います。 野球の四番バッターというのはみんなに期待をされまして、粘れば粘るほど声援が大きくなるわけでございますが、本会議での四番バッターは、だれも期待しておりません。まあそういう感じがいたします。議場内の皆様方におかれましては、大変朝から長時間となっており、お疲れのことと存じますけれども、もうしばらくの間、御清聴をよろしくお願いいたしたいと思います。 まず初めに、圓藤知事は、いよいよこの六月議会が終わりますと、知事選挙に突入をしてまいるわけでございますが、つきましては、二期目の公約につきまして若干お聞きしたいと思います。 朝から先輩議員の皆様方が十分にお聞きされておりますが、若干私もお聞きいたします。 九月の知事選を目前にした今の時期に新長期総合計画を完成をさせ、県民の皆様に周知、また配布する、すなわちこれが現職知事としての再選に向けての公約ととらえることができるわけでございます。そうでないといいましても、そう県民は思っておりますし、またきょうの知事さんの御答弁を聞きましても、やはりそういう趣旨の御答弁がございました。県民の皆さんに対しまして、私は、この新長期総合計画につきまして、特に前期推進計画は平成九年度から平成十三年度までの五年間の推進計画でございまして、ちょうどその計画期間が知事の任期と一致するわけでございます。県民有権者の方に前期推進計画の実現を約束をしていただきたいと思いますが、具体的に知事の二期目の選挙公約としてこの新長期総合計画、なかんずく前期推進計画の実現を公約として掲げていくのかどうか、お聞きしたいと思います。 さらに、前期推進計画につきましては、戦略プロジェクトとか基本計画で膨大な計画がございますが、総花的という感じもしないではありません。知事自身が決められた「いのち輝く世界の郷とくしま」という基本目標も、豊かな自然の中で人や地域が生き生きと輝き、徳島県と世界が直接結ばれ、世界の人々を引きつける魅力のある県を目指すと、こういうふうになっておりますが、いま一つ、具体的なイメージといいますか、そういったものがその言葉を聞いてもすぐに頭に思い浮かぶような感じがいたしません。あれもやります、これもやります、知事としてはそう言いたいと思うんですが、何を目指しているのかわかりにくい。また、すべてをやるということになると中途半端になってくる、そういう可能性があるのではないかと私は思います。 一期目、運輸省官僚出身として、新規航空路線、定期コンテナ航路、また鉄道の高速化等々、運輸関係に遺憾なくその力を発揮された知事、その実績はだれもが認めるところであると私は思います。 そこでお聞きをいたしますが、その新長期総合計画も含めた上で、二期目の公約で知事は最重点項目として最も訴えたいことは何かということをお聞きしたいと思います。 次に、知事は、開会初日の知事説明におきまして、行財政改革に関しまして、行動計画21、「アクション21」と総称して、全庁的に取り組む。その中で財政健全化推進プログラムを策定し、財政健全化を推進すると述べられました。私もかねてより、県の行財政改革、財政健全化を強く主張してきた一人として、知事の行財政改革への積極的な姿勢は歓迎するものでありますが、今後の取り組みについて若干お伺いをいたしたいと思います。 アクション21並びに財政健全化推進プログラムは、具体的な数値目標を掲げた計画、プログラムでなければ実効性がない、推進を担保できないと私は思います。 次に申し上げる項目について、計画やプログラムの中に明確な位置づけを行い、具体的な数値目標を掲げて推進するべきだと思いますが、いかがかと思います。 まず、職員の定員削減でございます。 過日、徳島市では、二〇〇一年度までに五十人削減すると発表しております。徳島市でこういうふうに取り組んでおるということで、県でも同じように取り組むべきではないかと思いますが、どうか。 二点目に、県債発行制限枠の設定もしくは起債残高の削減目標を設定して取り組むべきではないか。 三番目に、需用費、これは節約という部分でございますが、この需用費の削減目標を持ってはどうか。 四番目に、外郭団体の整理統合の一層の推進を、やはりある程度具体的に掲げてはどうか。 五番目に、政策補助金を除いた外郭団体とか、またそういった団体の運営に対する補助金、こういったものはもうこういった財政難の折で一律カット、こういうことも打ち出してはどうか。 もう一つ、数値目標ではありませんが、アスティとくしまは大変な赤字を抱えていると、こういうふうに毎年発表があるわけですが、そういった施設経営に対しまして、新たな経営感覚で赤字を減らすために外部の経営コンサルタントを導入してみてはどうかと思いますが、いかがでございますでしょうか。 さらに、財政改革の一部としてお聞きいたしたいと思います。 過日、国会におきまして地方自治法が改正され、来年度から外部監査制度が導入されることとなりました。この制度におきましては、外部監査人を透明で公正な手続で選任することが最も重要なポイントであると私は考えます。どのような方針で、どのような人物を、どのような方法で選任しようと考えておられるのか、知事の基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。 また、今回の改正で義務づけられた包括外部監査とは別に、個別外部監査も行うことができることとなりましたが、県としては個別外部監査制度を設ける考えがあるのかどうか、所見をお伺いをいたしたいと思います。 次に、六月十七日、国会におきまして臓器移植法が成立をいたしました。これは、これまで人の死は心臓が停止したときに人は死んだ、こういった概念でございましたが、医学や科学の発達に伴い、人工呼吸器により心臓が動いていても、呼吸をつかさどる脳機能が失われ、自発呼吸ができなくなった脳死を人の死と法的に認めようというものであります。法成立後も、数々の議論、意見が交わされてはおりますが、ともかく臓器提供を前提とした場合に限って、脳死を人の死と認める法律が成立をいたしました。 聞くところによりますと、十月十六日施行を目指しておるということでございます。 そこで、県立中央病院、これは県の救命救急センターになっておりますが、そういった意味で、法律によりますと、救命救急センター等での医療機関でドナーが発生した場合に、発生したことを連絡することにつきましては、この法律では義務づけられていないとお聞きしております。臓器移植ネットワークへのドナー発生連絡をしない限り、移植コーディネーターは現場の病院まで来ない。その場合に脳死判定、臓器移植は必要がない、こういうことでございます。また、病院の方から連絡をする場合でも、連絡をするかどうかということについて、移植コーディネーターを呼ぶかどうかについて、現場の主治医が家族に説明、同意を得なければならないと思います。また、脳死判定には、臓器の摘出や移植に全く関係のない、脳死に関する高い知識を持った医師二人が立ち会わなければならないとともに、その方々は脳死判定後五年間責任を負うことにもなる。精神的にも大変な負担を負うわけでございます。 ともかく、そのような状況が考えられるわけでございますが、県としては、救命救急センターである県立病院で脳死判定を実施する考えがあるか。あるとすれば、県として脳死判定実施に向けての諸準備が必要となりますが、どのように行い、いつごろまでに整備をして、脳死判定はいつごろから実施するお考えか、お聞きをしたいと思います。 さらに、中央病院独自で臓器移植手術をできる体制づくりに取り組むつもりがあるかどうかもあわせてお聞きしたいと思います。 もう一点、徳島大学医学部においては、以前より生体肝移植手術が何例か実施をされております。徳島大学におきまして、今後脳死による肝移殖を実施するという可能性は高いと思います。徳島大学から臓器提供について要請があれば、これに応じて臓器移植ネットワークを通すことなく、直接、独自に徳島大学と中央病院が連携をとり、臓器提供、臓器移植を実施する体制は考えられていないのかどうかもあわせてお聞きをいたします。 御答弁をいただきまして、再問もしくは次の質問に移らさせていただきます。   〔柴田議員出席、森本議員退席〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 新長期計画や前期推進計画を二期目の選挙公約とするのかという御質問についてでございます。 県では、本年三月に、これからの十年間の県政運営の指針となります新長期計画を策定をいたしたところでございます。策定に当たりましては、数多くの県民の方々の御参加を得たところでございまして、私は、この計画の基本目標でございます「いのち輝く世界の郷とくしま」を築くために、計画に基づいた各施策を強力に推進をしたいというふうに考えております。そのために、この計画の具体的な推進プログラムといたしまして、本年度から五年間にわたりまして推進する施策と事業を明らかにした前期推進計画を取りまとめたところでございます。 この推進計画では、分野別、圏域別の戦略プロジェクトに盛り込んだ事業につきまして、目標となる年次や数値などの具体的な推進目標を掲げたところでございまして、その着実な推進に最大限の努力をしてまいる所存でございます。 前期推進計画の五年間は、次の知事選挙に当選を果たすことができますならば、二期目の在任期間と重複をしておりますので、当然に私の二期目の公約といたしましても、その推進に全力を傾注することを掲げたいと、このように考えております。 また、この二期目の公約の中で最重点項目とするのは何か、どうもわかりにくいというようなお話でございますが、午前中の木村議員の御質問にもお答えいたしましたとおり、本県を取り巻く情勢は、厳しい経済状況のもとで、少子・高齢化が非常に急速な進行を見せております。また、国、地方を通じました財政難や、それに伴います公共事業費の削減問題など、極めて厳しいものがあるわけでございますが、県政の推進に当たりましては、国に対しまして、本県のように、社会資本整備のおくれた地域への重点的な財源配分を強く求める一方で、県みずから独自の行財政改革を積極的に推進することにしてまいりたいと、このように考えております。これが第一点です。行財政改革を進めるということです。 そして次に、私は、高速道路、幹線道路、空港、港湾などの基幹的社会資本、これを目標どおりに着実に整備をしていく、これも一期目に残されておる課題だと私は思っております。これを着実に推進していくと。そしてその一方で、従来ややもすればおくれがちであった分野、すなわち徳島市及び周辺の渋滞対策や中山間地域の道路整備の問題、あるいは下水道整備等によります環境保全対策、さらには観光拠点の整備などを特に重点的に推進をいたしまして、魅力ある県づくりを進めてまいりたいと、このように考えているところであります。 それから、行動計画21(アクション21)、財政健全化推進プログラムについての具体的な数値目標を持った計画を立てるべきであるという御質問についてでございます。 私は、「アクション21」と総称し、行財政改革に取り組んでいくことにいたしましたのは、国における地方分権、財政構造改革に的確に対応する必要があることに加えまして、明石海峡大橋による本州との一体化を間近に控え、新長期計画の基本目標でございます「いのち輝く世界の郷とくしま」の着実な推進が求められておりまして、本県が確かな足取りを持って飛躍・発展してまいりますためには、最少の経費で最大の効果を得るという原点を踏まえた施策の取捨選択、重点的な実施が不可欠と考えたからであります。 一方、国の動きを見ますと、地方分権につきましては、今月上旬に予定されております第二次勧告を受けまして、政府は来年の通常国会が終了するまでに地方分権推進計画を作成し、平成十二年、西暦二〇〇〇年の七月の法期限までに総合的、計画的に推進することとしておりまして、個別法の改正等による分権の具体化には、いましばらく時間を要するとともに、財政構造改革につきましても、具体的な中身は今後明らかになってくるというふうに思います。 また、県の権限や具体的な事務を市町村に移譲する場合には、市町村の意向を踏まえる必要があるなど、基本的な部分においてなお不透明な部分が多く見られるわけでございます。 しかしながら、県といたしましては、国の改革の内容が明らかになることを待つことなく、今年度から現行一万余件に上る事務事業の見直しを通じました、聖域のない取り組みを行いまして、計画として数値的なものも含め、できるだけ具体的なものとなるように努力してまいりたいと考えておるわけでございます。 議員が御指摘になられました定員削減とか、県債発行残高とか、需用費の節減の問題等々の御議論がございました。そういったものも十分参考にさせていただきたいというふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。 それから、外部監査制度に関する外部監査人の選任と個別外部監査の導入についての御質問でございます。 外部監査制度は、去る六月四日に公布されました地方自治法の一部を改正する法律により導入をされましたものでございまして、その趣旨は、県の組織に属さない、外部の専門的な知識を有する者による監査を導入することによりまして、監査機能の独立性、専門性を一層充実しようとするものであります。 具体的には、県が弁護士、公認会計士、税理士などの資格を有する者から選任した外部監査人と外部監査契約を締結をいたしまして、その者から監査を受ける制度でございまして、これには県に導入が義務づけられている包括外部監査契約に基づく監査と、条例により任意に導入できる個別外部監査契約に基づく監査があります。 議員御指摘のとおり、この包括外部監査制度を実効あるものとするためには、どのような方と外部監査契約を締結するかが非常に重要なポイントであるというふうに考えております。 したがいまして、契約の締結に当たりましては、法律上、あらかじめ監査委員の意見を聞くとともに、議会の議決をいただくことになっておりまして、監査の専門性、独立性を高める見地から取り組んでまいりたいと、このように考えております。 次に、個別外部監査制度でありますが、個別外部監査は、議会、長、住民からの要求があり、一定の要件を満たす場合に外部監査人の監査を受けるものであります。 これらの制度は、法律の公布の日から起算して一年六カ月を超えない範囲内において、政令で定める日から施行されることになっておりますが、公布されてからまだ日も浅く、関連する政令、省令等も示されていない状況でございますので、個別外部監査の導入につきましては、検討に要する時間をいましばらくいただきたいと考えております。   (松本保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(松本学君) 臓器移植法について二点、御質問がございましたので、私の方から御答弁申し上げます。 まず第一点は、県立中央病院における脳死判定、臓器移植手術に対する取り組みについての御質問でございますが、議員御承知のとおり、去る六月十七日に、臓器移植の場合に限って脳死を人の死と認め、臓器摘出を可能とするいわゆる臓器移植法が成立したところでございます。 県立の中央病院におきましては、この臓器移植に伴う問題点等を検討するため、医師等で構成するワーキンググループ的なものを速やかに設置しまして、議員お尋ねのような内容につきまして、さまざまな角度から慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。 それから、県立中央病院における臓器提供、臓器移植等についての御質問でございますが、臓器移植を迅速かつ円滑に進めることは、極めて重要であると認識いたしておりますが、現在厚生省の方におきまして、日本臓器移植ネットワーク準備委員会を設置いたしまして、臓器移植ネットワーク体制の整備について、さまざまな検討がなされている段階でございます。 したがいまして、県立中央病院における臓器提供につきましても、今後国の動向を見ながら、慎重に検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。 以上でございます。   〔藤田・森本・大西(仁)三議員出席、木村議員退席、出席議員計三十六名となる〕   (大西(章)議員登壇) ◆四番(大西章英君) それぞれ御答弁をいただきましたが、ぜひ行財政改革につきましては、実効性を持たせるためにも、より具体的な、知事さんも数値的なものを含めてと、こういうことで検討していきたいとおっしゃっておりますが、ぜひそういったことで取り組んでいただきたいと思います。 それから、臓器移植に関する質問についてでございますが、私は、脳死判定を救命救急センターの中で行うのかどうかということをお聞きしておるのであって、またそういうことを考えているのか、考えていないのかということをお聞きしているのであって、それからいくと、今先ほどの部長の御答弁ですと、ワーキンググループを設置するということ。それから、それと反面、慎重に検討していくということでありますが、慎重に検討するというのは、お役所言葉では、しないというようなことも含まれているんじゃないかなということを私は思いますが、これは結局、結論的に実施しないという、そういったものは実施しないという結論もあるのかどうかということは、もう一回だけお聞きしたいと思います。 それから、続けて質問をさせていただきます。 今、徳島県は財政的に大変厳しい状況に置かれております。しかし、同時に明石海峡大橋の来年四月上旬開通は、日一日と近づいております。既にカウントダウンは始まっていると言っても過言ではありません。開通までに九カ月。今、徳島県で最重要課題は明石海峡大橋開通対策であると思います。県民の中には、県内経済の足腰強化や企業誘致、社会資本整備等に対する対策、これをやってほしい。しかしながら、九カ月で何ができるのか、こういう半ばあきらめ声も聞こえてまいります。これまでにもっと大胆な、目に見える施策ができなかったのか、こういう声も聞こえてまいります。 そのような中で、明石海峡大橋が開通をした瞬間から具体的な、タイムリーな、そして積極的な施策が動き出さなければならないのが観光であると思います。「鉄は熱いうちに打て」、こういうことでありまして、開通してから二年、三年たってから観光ブームがわき起こるということは絶対にあり得ないと思います。観光への投資は、開通直前から開通後一、二年までであると思います。大鳴門橋、瀬戸大橋開通前後の観光客入り込み数を見てもわかるとおりでございます。県も黙って手をこまねいているわけではなく、いろんな対策を考えているようではございます。長期観光振興計画やウエルカム作戦等を考えているということでございます。しかしながら、徳島県は、JTBのアンケート調査で、「行きたい県」の四十六番目、下から二番目でございます。一番下は、ちなみに埼玉県ということでございますが、そのような県の状況から、観光に対する県の考え、取り組み方が今のままであったならば、関西圏から、そして全国からこの世界最大の明石海峡大橋を見に行きたいと、こういうことで集まってくる。ついでに徳島に行こう、こういうことはなかなか起こらないのではないか。淡路島でとまってしまうのか、松山、高知に通り過ぎてしまうのか、こういったことになってしまうのではないかと思います。 観光の三種の神器というのは、一に都会、二に温泉、三にテーマパークと言われておるそうでございます。また、ある人によれば、それプラス歴史であるという方もいらっしゃいます。いずれにいたしましても、徳島にはそういった四つの項目で特に有名なものはどれ一つとして見当たらないわけであります。観光資源の乏しい県である。よほど工夫をして対策を講じなければならないと思います。 そこで、この開通前後にしなければならないこと、あるいはこの短期間でもできることについて、何点かお尋ねをいたしたいと思います。 まず、県外の方に徳島に行ってみたいと思わせるには、徳島県がどこにあるのか、どのようなところなのかが周知されることが大前提であると思いますし、観光客を呼ぶ第一歩であると思います。 東京などで私は経験したわけですが、「徳島県はどこにありましたかね」といった、そういった相手がぴんとこなかったという経験がございます。私一人ではないと思います。先日も、新聞の読者の手紙の欄に、徳島出身の方で兵庫県在住の方が、「近畿地方の方で、徳島が四国のどの位置にあるのか知らない人が多いことに驚いた」、こういった投稿をされておりましたが、そこで私は、本年度後半から来年度末、つまり明石海峡大橋開通前後に、この期間に集中的に予算をつぎ込んで、県外に対する観光PR、情報発信をぜひ行っていくべきであると考えております。以前に、「モノレールジャック」と称し、徳島県としては珍しく大胆にPRを行ったようでありますが、県予算のせめて〇・一%ぐらい予算をつぎ込んで、この期間にJR、地下鉄等の人の大量輸送機関においてポスターや中づり等、その他、積極的かつ大胆なPR、情報発信を行っていくべきであると思いますが、御所見を伺いたいと思います。 次に、知識、情報として徳島県のことがわかっている、でも実際に観光に行くかどうか、こういったときにさまざまな要素があると思いますが、その一つに口コミというのが割と大きな要素としてあるのではないかと思います。 県は、これまで、観光エージェントや雑誌社の方々に徳島県案内の機会を設けてこられたようですが、私は、明石海峡大橋開通後、まあ一年間ぐらい期間を切ってでございますが、県民に対し行っている県政バスと同じような、一般の県外の方々を対象にした、大阪あるいは神戸から出発する無料徳島県案内バスを運行してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。県外の方に徳島県を見てもらい、関西に帰り、口コミの源になっていただくわけでございます。どうかと思いますが、いかがでございましょうか。 三点目に、次に大都市の周辺というのは、自然との触れ合い、安らぎを求めて都会から保養に来る方がかなりおられます。大きな地方自治体や企業・団体におきましては、市民や社員の福利厚生の一環で契約保養所を設置するところが多くございます。 そこで、神戸市や大阪市などの地方自治体や関西の企業・団体等の契約保養所を県内の温泉やリゾートホテルを中心に積極的に誘致していくべきであると考えますが、知事のお考えをお聞きいたしたいと思います。 また、そういった誘致を推進するためには、県としても何らかの支援措置を講ずることが必要ではないかと思いますが、あわせてお聞きしたいと思います。 四点目に、関西圏には、今百十万人の県出身者がおられると言われております。ある方に、これはどうしてこういう数字、根拠があるんですかと聞きましたら、特に根拠はないと言っておられましたが、今そういうふうに言われております。また、関西を初め日本全国に県人会がありまして、それに入会され、掌握されておられる方々もたくさんおられます。こういった方々が、その関係者を連れて里帰りをしてくれれば、大変な影響があると思います。明石海峡大橋開通後、県人会に対し、里帰りツアーや県内での県人会総会開催を働きかけていくつもりはないか、お答えをお聞きしたいと思います。 次に、徳島市内の観光資源の整備・充実に関してお尋ねをいたします。 眉山の整備であるとか城山の整備、各種公園の整備等、お聞きしたいことが山ほどあるわけでございますが、本日は二点だけ、二点に絞ってお聞きしたいと思います。 まず第一点目は、小松海水浴場の開設についてであります。 これにつきましては、過日、徳島市が本年度この夏の再開を断念したとの報道がなされました。昨年も、また一昨年も同様の報道があったと私は記憶しております。再開を断念したとの報道が毎年この時期の恒例行事のように新聞に載ってくることは大変残念なことでございます。しかし、不思議なことに、県議会の方ではいつも議論をされて、海水浴場として開設可能であると、こういった御答弁がされておると私は認識をしております。 県は、小松海水浴場開設のために、これまで相当の県費をつぎ込んできております。明石海峡大橋開通の来年度の夏は必ず再開すべきであると思いますが、開設できるかどうか、御答弁をお願いいたします。 もう一点、ひょうたん島周遊船についてであります。 私は、以前委員会におきましてこの質問をいたしましたところ、するのやらしないのやら、できるのやらできないのやら、よくわからない御答弁で、最後にはいつものとおりに、今後も研究し、検討してまいりたいと、こういうお話でございました。これまでの新聞等の報道で、知事は、この件について積極的な発言をされておるように私は受け取っております。周遊船実現に向けてどのようなお考えをお持ちなのか、知事御自身にお伺いをいたしたいと思います。 次に、観光振興に関する諸施策について、今何点か申し上げてきたわけでございますが、これらについて、そんなにあくせくしなくても、まあなるようにしかなりませんよ、来る人は来ますよ、こういったお考えであれば、これはもう論外でございますが、そんなことはないと思います。観光に対し積極的に取り組んでいこうと考えられているはずでございますが、しかし、こういった、今私が申し上げたような細かい、また機動的にやらなければいけないものについて、踏み込んだ、前向きな御答弁は多分少ないと私は想像しております。しかしでございますね、それでいいというわけにいきません。観光振興についての主管が商工労働部の中の一つの課であります観光振興課でございます。確かに、県として、観光行政総合連絡会議という組織があり、副知事が議長、商工労働部長が副議長となり、各部局との調整を行っているというお話をお聞きしましたが、主管課の観光振興課長さんは、観光関連各課の課長補佐が出席する同連絡会議の幹事会の会長でございます。真に観光振興に取り組む、悲願である本四直結後の観光に力を入れるというのであれば、直接の担当者にそれなりの立場、それなりの権限を与えなければ動かないと思いますが、どう思われますでしょうか。県の観光振興にかける意気込みを示すためにも、観光局を設置すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。 御答弁をいただきまして、次の質問に移らさせていただきます。   〔木村議員出席、出席議員計三十七名となる〕   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 県外に対する観光PRとして、今年度末から来年度にかけて集中的に予算をつぎ込むべきではないかという御質問についてでございます。 来春に迫りました明石海峡大橋の開通によりまして、いよいよ本県と近畿とが直結されるわけでありますが、このルートの完成は、本県の観光振興を図る上でまたとないチャンスであるというふうに考えております。この好機を逃すことなく、県外からの観光客の誘致を進めるに当たりましては、本県の観光資源の持つ魅力等につきまして広く知っていただくこと、すなわち県外に向けての本県の観光PRや観光情報の発信が極めて重要な意味を持つということは言うまでもございません。 このために、これまでも種々の施策を実施してきたところでございますが、本年度におきましては、大都市圏における統一のイメージポスターを使用したPR、モノレールジャックの第二弾ということで考えております。また、四国四県とJR四国が一体となりまして、全国の六つのJRの広告ツールを活用して実施をいたします全国観光キャンペーン──デスティネーション・キャンペーンというふうに言っておりますが、これをやりたいと。もう一つは、旅行雑誌とか航空機内誌等を活用したPRなどなど、関係団体と一体となりましたPR活動を展開しているところでございます。 また、開通初年度となります来年度につきましては、御指摘の点も踏まえまして、より多くの方々に本県を訪れていただき、本県について御理解を深めていただきますように、さらに強力に観光情報の発信に取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうか御理解を賜りたいと思います。 それから、関西の公共団体、企業等の契約保養所の誘致及びその誘致推進のための支援措置についての御質問でございます。 県外の企業等が本県に保養所を設けることは、人が行き交うことによる波及効果が期待をされます。観光面におきましても大変有意義なことであるというふうに考えております。 本県における会社・団体の宿泊所について、総理府の平成三年事業所統計調査報告によりますと、十九事業所あり、百九十七人の従業員が働いております。 議員から御提案いただきましたホテル等、既存の宿泊施設との契約により福利厚生施設を確保するという契約保養所につきましても、交流人口をふやすという点で同様に意義深いものでございます。 そこで、企業誘致活動の一環で行っております企業立地に関するアンケート調査を利用いたしまして、本年度新たに保養所に関する項目を設けまして企業の意向等を調査をいたしたい、このように存じております。 このような企業の動向を踏まえながら誘致の推進に努めますとともに、支援措置等につきましても研究してまいりたいと、このように考えているところでございます。 ひょうたん島の周遊船についてどのような考えを持っているのかという御質問についてでございます。 ひょうたん島を一周する周遊船につきましては、現在民間団体が、土曜日、日曜日、祝日に無料で運航しておりまして、地域住民にも大変親しまれているところでございます。私といたしましては、周遊船が運航されることは、水辺空間を活用した新たな観光資源の開発、あるいは新町川沿いの景観に配慮した都市空間の整備等に果たす役割は非常に大きいものがあるというふうに考えております。徳島市におきましても、二十一世紀の初頭を目標とした総合計画の中で、「ひょうたん島水と緑のネットワーク構想」が打ち出されておりまして、その中で河川周辺の環境整備とあわせた周遊船の導入がうたわれているところでございます。 県といたしましては、河川周辺の環境整備やイベント助成等を通じまして、周辺地域の魅力度を向上させ、「人楽しむ所、人集う」という環境を醸成してまいりますとともに、徳島市内を流れる河川を利用した周遊船の運航につきまして、水深がどれぐらいあるか、水面から橋げたまでの高さがどれぐらいあるか、橋脚間隔がどれぐらいあるかというようなことを具体的に調べまして、それに与える船の構造面への制約の問題、あるいは需要見通しでありますとか、採算性の問題、さらに、だれがやるのかと、事業主体の問題、これは県が幾らやりたくても県がみずから事業をやるわけにはまいりません。だれかにやってもらわにゃいかんわけです。ですから、こういった課題につきまして一つ一つクリアしていかなきゃいけない。そういうことで、いろんな課題につきまして、専門家等の意見を参考にしながら、引き続き検討をする必要があるというふうに考えているところであります。 観光振興を推進するための組織の強化についての御質問でございます。 観光振興を図るために行政が担当すべきものは多岐にわたっておりまして、各部局が連絡・調整を図りながら、総合的に取り組むことが必要でございます。例えば観光拠点施設整備の支援や、観光PRなどを担当する商工労働部を初め、道路整備などを行う土木部、リゾート整備を推進する企画調整部、農山村の振興を観光面で支援しようとする農林水産部、さらには環境生活部、教育委員会との連携も必要でございます。このために、観光行政の総合的な推進を目的に、庁内に徳島県観光総合行政連絡会議を設け、各部局間の連絡調整を図っているところでございます。 また、観光推進に係る組織に関しましては、平成七年度、従来の観光物産課から観光振興の部門を独立させ、観光振興課を設置をいたしまして、観光行政をより効果的に進める体制をつくり、組職の強化を図ったところでございます。 今後におきましても、観光行政を進めるに当たりまして、より効率的かつ円滑な執行が図られるように意を配してまいる所存でございますので、どうか御理解を賜りたいと思います。   (松本保健福祉部長登壇) ◎保健福祉部長(松本学君) 脳死判定に関する臓器移植につきまして、慎重に検討を進めるということは実施しないということかということでございますが、臓器移植に際しましては、御承知のとおり、今回成立の法律の中で、臓器の提供に関する本人の意思は尊重されるべきであること等の基本理念が示されております。さらには、医師の責務、それから臓器摘出の制限等々、一つ一つ示されているところでございます。 したがいまして、慎重の上にも慎重を期して取り組むということでございまして、実施しないということではございませんので、御理解賜りますようお願い申し上げます。   〔杉本議員出席、来代議員退席〕   (塚田商工労働部長登壇) ◎商工労働部長(塚田桂祐君) 県外の方々を対象とした無料の案内バスの運行についての御質問でございますが、県外の方々に実際に本県を旅行していただき、本県の観光資源の魅力等について御理解を深めていただくことは、観光振興を図る上において非常に有意義なものであると考えております。 このため、平成七年度、八年度の二カ年にわたりまして旅行エージェントの方々を本県にお招きし、実際に主要な観光地等を旅行していただく、いわゆるモニターツアーを実施いたしまして、専門家のお立場から種々貴重な御助言をいただいているところでございます。また、本年度におきましても、旅行エージェントや旅行関係雑誌の記者の方々等に対しまして同様のツアーを計画しているところでございます。 このような、観光の専門家を対象といたしましたモニターツアーのほかに、広く県外の一般の方々を対象とした無料の観光案内バスを運行しますことは、明石海峡大橋開通後に、本県と近畿との間のバス運行の頻度が飛躍的に高まると言われております中で、対象が一部の人に限られてしまうという問題や、費用対効果等の問題等、種々の課題があるものと思われます。 このため、今後におきましては、モニターツアーの対象としてどのような方が効果的であるのかにつきまして、より効率的な事業実施の観点から検討してまいりたいと存じます。 次に、県人会の里帰りツアーや県内での総会開催についてのお尋ねでございますが、現在、国内の徳島県人会は、私どもの把握している数字で申しますと、北は北海道から南は沖縄まで二十四団体、会員数約一万二千名の方々が活動されております。これらの県人会は、各界にまたがる会員のネットワークを生かしまして、本県物産の販路拡大や企業誘致活動など、ふるさと徳島のPRにも積極的な御協力をいただいているところでございます。 議員御提言の明石海峡大橋開通後の里帰りツアーとか、県内での総会活動につきましては、本県の観光PRの絶好の機会であり、多くの徳島ファンを各地につくるきっかけになるものと、私どもも同様に考えているところでございます。既に、昨年来の札幌、名古屋、鹿児島との新規航空路の開設を契機に、里帰りツアー等、各地の県人会に徳島との交流を働きかけているところでございまして、一部の県人会ではこの秋に里帰りツアーを行うという計画もあるやに伺っております。 今後とも、明石海峡大橋の開通を契機に各県人会との連携、相互交流を促進するとともに、県人会のネットワークを生かした観光PRなどを強く働きかけてまいりたいと考えております。   〔来代議員出席、庄野議員退席〕   (桂樹土木部長登壇) ◎土木部長(桂樹正隆君) 小松海水浴場の開設についての御質問であります。 小松海水浴場は、昭和五十二年度の開設途中に水難事故が相次ぎ起こったため、警察署から勧告を受け、開設者である徳島市が閉鎖をして現在に至っております。その後、徳島市内においても本格的な海水浴場の設置が望まれましたことから、県におきましては、今切港小松海岸で昭和五十九年度より海水浴場を持つ海浜公園の創設を目的とした海岸環境整備事業を実施してまいりました。既に砂の侵食防止のための突堤工事を完成させ、現在は護岸施設、盛り土工事も概成し、これらの施設の効果により海底勾配及び地形、潮流等の自然条件はほぼ安定してきております。 海水浴場開設の時期でございますが、開設者であります徳島市は、満潮時の汀線付近の海底勾配が幼児にとって理想の状態に至っていないことや、地元関係者の十分な理解がまだ得られていない状況であり、これらの条件整備、問題解決になお一層の努力を行い、一日も早い開設に向けて努力してまいりたいとのことであります。 県といたしましては、海底勾配等、自然条件につきましては、他の海水浴場と比べましても遜色はないと考えておりますが、開設者であります徳島市は、過去の水難事故等から慎重を期したものと考えております。 今後とも、徳島市に協力をいたしまして、地元関係者の御理解が得られるよう取り組み、小松海水浴場が早期に開設できますよう努力してまいりたいと考えております。   〔庄野議員出席、出席議員計三十八名となる〕   (大西(章)議員登壇) ◆四番(大西章英君) それぞれ御答弁をいただきました。 最後の、土木部長が小松海水浴場の開設に関する御答弁をされましたが、その中で、満潮時の勾配がまだまだ幼児にとっては理想的な状況でないとか、あるいは地元関係者の十分な理解が得られてないとか、そういうことも言っておられましたが、条件的には遜色がないと。他の海水浴場と比べても遜色がないと、こういうふうにおっしゃいました。 私も、今回いろいろお聞きしましたときに初めてわかったわけでございますが、マリンピアの埋め立てに伴い、沖洲の海水浴場がなくなる。そして、それでは徳島市内に海水浴場がなくなるんでないかということで、県は別のところに海水浴場を設置できるように頑張りますと、こういうことで小松海水浴場設置に向け、土木部が随分の県費をつぎ込んでやってきておる。これは、できなければ、これだけの県費をつぎ込んだのは何だったんだと、こういうことになると思います。しかしながら、今の土木部長の御答弁は他の海水浴場と比べて遜色がない。じゃなぜできないのか。市がやらないから。じゃ市町村任せなのか。海南には、たしかオオズナ──オオスナと言うんですかね、濁るんですか、大砂海水浴場というのは、あれ県が管理してされていると聞きましたが、そういった県が直接海水浴場を開設すると、そこまで踏み込んで、やらないというんだったらわかります。わかるというか、やってほしいわけでございますが、しかしながら、市を応援します、市がやらないからできないんです、これではですね、これだけ県費を投入して開設に臨もうとしている県としては、県も不本意だと思うんですね。それならば、これだけの県費を投入して条件的にできるということを部長も答弁をされておるのに、市がやらないというのは、これは県にも責任があるんじゃないかと私は思いますが、もう一度、来年度開設できないならば、いつ開設するのかと。御答弁では大変好機、チャンスであると、こういう話はされておりました。いつごろ開設するのかと。 それから、徳島市ができないというのであれば、県みずからがこの開設に乗り出すということ。もしくはその地元関係者の十分な理解が得られてないということでできないのであれば、県がそういったことにも直接関与して、来年度の夏の海水浴場開設に向けて汗をかくべきだと思いますが、再度御答弁をいただきたいと思います。 それから、まだ時間がありますので、引き続き質問をさせていただきます。 続きまして、私は、市町村合併についてお尋ねをいたしたいと思います。 徳島県は大変広い県土でありますが、山間部の多い県でございます。県内に五十の市町村がございますが、知事はこの五十という数をどういうふうに受けとめられておられるでしょうか。知事の市町村合併構想というのがあるのでしょうか。これをお聞きしたいと思います。 それから、今年度国に対し、施策提案型要望で、市町村合併についての支援措置に関する要望をされておりますが、具体的に合併を想定している市町村があるのかどうか、お聞きをいたしたいと思います。 また、新長期総合計画では、徳島市を中心とした中核都市地域の整備を課題の一つとして掲げておられますが、中核市になる可能性のある徳島市と小松島市の合併については、知事はどうお考えになっておられますでしょうか。 市町村合併の支援措置について国に要望されたのは、単に要望しただけでしょうか。ポーズなのでしょうか。そうではないと私は思いますので、こういう質問をさせていただきます。 地方分権を進めるために知事はリーダーシップを発揮して、具体的な行動として今後の推進役を果たすべきであると思いますが、知事の御所見をお伺いしたいと思います。 それから、次の質問でございますが、岐阜県の御嵩町が、産廃処分場建設について住民投票が実施されて、世間をにぎわしたのは、つい先日のことでございます。今やごみ問題は、行政にとって欠くべからざる重要課題の一つでありますが、そういった意味で、公明徳島県本部でも、県内五十市町村に対し、ごみ問題に関する実態調査を実施をいたしました。種々問題点、課題がわかってきたのですが、きょうは時間がありませんので、最近の事態から一つだけお聞きしたいと思います。 古紙回収についてでありますが、これは最近有料化、つまり古紙を出した方が処分費用を出さなければいけないということになってきております。これは新聞でも周知のことと思いますが、このことでPTAや町内会、子供会等による集団回収が行われなくなってしまう可能性があります。 先週、私も、日曜日でございますが、子供会による古紙回収の手伝いをいたしました。回収業者が来られて、その方にお聞きいたしましたところ、やはり中止する団体が少し出てきておると、こういうことをお聞きいたしました。 また、一般の方については、古紙を回収業者に出せばお金を取られるのであれば、市町村のごみ回収に出した方がよいということで、一般のごみがふえる可能性が出てきております。せっかく古紙のリサイクル回収が定着してきているのに、これが崩れてしまうというのでは、大変残念でございます。古紙のリサイクル回収を維持するため、県として何らかの支援を行う考えはないか、お尋ねをいたしたいと思います。 とりあえず以上のことをお聞きいたしまして、もし時間がございましたら、また再度次の質問に移らさせていただきます。   (圓藤知事登壇) ◎知事(圓藤寿穂君) 市町村合併について、具体的に想定している市町村があるのか、また中核市になる可能性がある徳島市と小松島市の合併についてどう思うのかというような御質問についてでございます。 地方分権が推進されている中で、市町村みずからが総合的な行政主体として行財政運営を行っていくためには、地方分権時代にふさわしい行政執行体制の整備と確立を図る必要がございます。そのためには、財源確保や人材育成等の行財政能力の充実強化が課題となっておりまして、広域行政による対応とともに、市町村合併による市町村の規模の拡大についてその必要性が広く問われているところでございます。 県といたしましては、こういった状況を踏まえまして、現行制度では、市町村合併に対する国の支援が必ずしも十分とは言えないことから、さらに市町村みずからが合併に取り組める環境を整えるために、国に対して地方交付税による財政支援を初め、市町村議員の定数や在任期間の特例等の充実を提案をいたしておるところでございます。 具体的な合併構想が、具体的にあるのかというようなことにつきましては、これは私がですね、こういう合併構想があるから、こことここの市町村が合併したらどうかというようなことを言うよりも、市町村が自主的にそういったことを検討していくということが、私は大事だと思います。個人として何か考えがあれば言うということは多少問題がありますので、差し控えさせていただきます。 また、中核市につきましては、政令指定都市以外の都市で、人口三十万人以上等の比較的大きな市につきまして、その事務権限を強化し、できる限り住民の身近な行政を行うことを推進をいたしますとともに、地方分権の受け皿づくりに寄与するものと評価をいたしておりますが、中核市への移行に当たりましては、関係市町村や地域住民の理解が大変重要であるというふうに考えているわけでございます。 いずれにいたしましても、市町村合併は、関係する地域の将来や地域のアイデンティティー、住民の生活に大きな影響を及ぼすものでありますので、その推進に当たりましては、関係する市町村や住民の意向が十分に尊重されなければならないというふうに考えております。 県といたしましては、市町村及び地域住民みずからが論議し、今後の市町村のあり方を検討していただけるように、情報提供や啓発に積極的に取り組んでまいる所存でございますので、どうか御理解をいただきたいと思います。   (桂樹土木部長登壇) ◎土木部長(桂樹正隆君) 小松海水浴場につきまして、いつごろ開設できるのか、また県みずから開設する考えはないのかと、こういう御質問でございます。 来年度平成十年度は明石海峡大橋開通の年でもございまして、海水浴場開設には絶好の機会と、県といたしましても考えているところでございます。 しかしながら、県内の海水浴場は、地域住民の方々の憩いの場として、地元市町が開設者となっております。小松海水浴場につきましても、従来より徳島市が開設者でございまして、現在市におきまして開設に向けて努力がされていると、こういう状況になってございます。 先ほど議員の方から大砂海岸の話がございましたが、ここも施設整備等は県が担当させていただきましたが、海水浴場そのものの管理運営は地元海南町の方でやっていると、こういうことでございます。 こういう状況でございますので、やはり県といたしましては、一日も早い開設が実現できますよう、やはり県といたしまして、この開設者でございます徳島市に対しまして協力をしていくことによって、そういった一日も早い開設が実現できると、こういった状況になるように引き続き努力してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。   (発言する者あり)   (須見環境生活部長登壇) ◎環境生活部長(須見照彦君) 古紙のリサイクルを維持するために、県として何らかの支援を行う考えはないかとの御質問についてでございます。 現在、国内の紙の総生産量は約三千万トンでございますが、このうち約、過半の千六百万トンに古紙が利用されております。近年、リサイクル意識の高まりによりまして古紙の回収が進む一方で、この回収された古紙の再利用が伸び悩んでおりますために相場が崩れまして、引取料が必要な、いわゆる逆有償といった現象があらわれておりますことは、議員御指摘のとおりでございます。 県といたしましては、市町村のごみ減量化事業を支援するため、ボランティア団体等の実施します集団回収事業等を市町村が支援する場合に、国の補助と合わせまして県費補助を実施する廃棄物再生利用モデル推進費補助事業を平成七年度から実施しているところでありまして、この事業が県内各市町村でより一層活用されますよう指導してまいりたいと考えております。 しかしながら、古紙に限らず、資源となります廃棄物の回収をさらに促進するためには、一般的に割高なリサイクル製品の利用の促進につきまして、いわゆる地球資源保護の観点から、生産者及び消費者の間で、適正なコストの負担につきまして、幅広い国民的な議論が必要であると考えております。 いずれにいたしましても、官民を問わず、再生品の需要の拡大に向けた努力が求められておりますので、県といたしましても、平成八年度からエコオフィスとくしま県率先行動計画によりまして、県内最大級の紙の消費者として、古紙配合率の高い再生紙の利用を積極的に進めているところでございます。 さらに、去る五月三十日に設立されましたクリーン・リサイクル推進徳島県民会議とも連携しながら、再生紙の需要の拡大に向け、各方面に強力に働きかけてまいりたいと考えております。   (大西(章)議員登壇) ◆四番(大西章英君) ただいま土木部長さんから小松海水浴場についての御答弁をさらにいただきました。 結論的に、県はやることはやったと、あとは徳島市だ、徳島市の責任であると、こういう御答弁になるんじゃないかなと。そういう直接的なお言葉はありませんでしたが。しかしながら、先ほど四宮議員さんもおっしゃったように、やっぱり県が、県がですね、やっぱり約束をしたことはやるべきであると、そういう観点で私は言っておるわけで、しかも、知事が言われているように、その豊かな自然を生かしたそういった県づくり、観光、そういったものをやるとおっしゃっているわけでありますから、そういった意味でも徳島市内にたくさんのホテルがある。県外客がみんな来る。そこで海水浴をしたい、海水浴場に行こう。当然やっぱり近いところがいい。そういうことになってくると、やっぱり市民も、また当然でありますが、観光客もやっぱり徳島市内に海水浴場がなければいけない、私はこう思います。 そういった意味で、私は、これはもう再問しませんが、県はですね、絶対責任を持つべきだと私は思います、これは。県費をつぎ込んでいるわけですから。ここまでやってもう、あと結構ですよと。開くか開かんか徳島市が決めてくださいというのは、これはいいかげん。じゃ何のために県費を投入したのかと言いたいわけであります。ですから、開設をできることをですね、やっぱり提示しなきゃいけないと思うんですね。今の御答弁だと、私はですね、これは開設をできるということを土木部長は言われてる。しかしながら、これは市がしないんですよと。これは間接的に、遠回しだけど、そういうことですよと、こう言われていると、私はもう理解しました、今。 だけど、それでは私はいかんと思います。まあきょうはこれ別の質問もありますのでこれでおきますが、私はそう思いますので、ぜひひとつ県の責任を果たすべく頑張っていただきたいと思います。 あと、市町村合併につきましては、やはり地方分権のためにぜひ進めていかなければいけないことであると思います。ですから、市町村任せではなく、やはり情報とかそういったもの、啓発活動、そういったものだけでなく、やはり知事自身がリーダーシップをとってやるべきじゃないか。中央広域連合ができたときに、知事も大変に喜んでおられたというか、その役割というのは大きいという趣旨の発言をされておりましたが、やはりこれはするべきであると思います。 それから、古紙回収の問題につきましては、やはりそういう制度があると。これはわかりましたが、制度があってもですね、それで今までは古紙回収業者が出してたお金もあるわけですね。それプラス補助金があったと。ところが、もう古紙回収業者の補助金がなくなると半減するんですね。そうすると、もう子供会とか、PTAとか、町内会とか、議員の皆様方もされた方がいらっしゃると思うんですが、もう世話をするのが大変なんですね、文句言われて、いろいろ。その中でもう日にちを決めて一生懸命やってるんだから、やはりそういう方々はやめてしまうわけですよ。ですから、今の制度では手薄だと、こういうことを申し上げておきたいと思います。 次に、もう一点だけお聞きをいたしたいと思います。 過日、新聞報道で、県職員に対する各種の手当がいろいろあるということが、私も改めてわかりまして、つくづく感心をいたしましたが、私は手当すべてが悪いとは思っておりませんが、一連の報道記事を読んで素朴に疑問に思うことをお尋ねしたいと思います。 勤務地手当と言われる調整手当なんですが、これは大都市に勤務すると三年間支給していただける。ところが、一年とか二年とかで徳島に帰ってきた人、その方は徳島でも、徳島で勤務してても、やはり勤務地手当というか調整手当をもらえると、こういうことであります。これは条例で決まっておるわけでございまして、まあ決まってるどおりにやってるんだということでありまして、特にそれ以上突っ込めるわけではございません。しかしながら、やはり県民感情として、私は新聞を読みましたら、やはり大都市にいるから大都市手当、勤務地手当があるんであって、やはり帰ってくればですね、これはやっぱりなくすのが普通のことだと思います。民間でもそういった手当を出す前提条件がなくなると、すぐこれは手当は切られます。 そういったことで、民間も大変リストラでしのぎを削っておるわけでございまして、公費天国と言われないためにも、ぜひこれはやっぱり見直しを図っていかなければいけないんじゃないかと。ただ、これは人事委員会の勧告においてやっておるということでございますので、最後に人事委員長に、この件について、ぜひ今年度の人事委員会勧告において各種手当の、特に調整手当についての見直しを、これを勧告をしていただきたい。それを盛り込んでいただきたいと思いますので、これについての御答弁をいただきたいと思います。   (勝占人事委員長登壇) ◎人事委員長(勝占正輝君) お答えをいたします。 今年度の人事委員会勧告についての御質問でございますが、人事委員会におきましては、給与、勤務時間、その他職員に関する制度について、あらゆる角度から調査研究を行い、職員の給与等について報告及び勧告を行っております。 御承知のとおり、県職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与、その他の事情を十分考慮して定めているところであります。今年度の人事委員会勧告につきましては、現在勧告の基礎となる平成九年職種別民間給与実態調査を実施しているところであります。あわせて、今後国及び他の地方公共団体の動向等の把握に努めることといたしまして、人事委員会といたしましては、本日大西先生の貴重な御提言を踏まえまして、これらを総合的に勘案しながら、今後は幅広く議論してまいりたいと考えております。   (大西(章)議員登壇) ◆四番(大西章英君) ただいま人事委員長さんから御答弁をいただきました。 ぜひ私は、素朴な感情として、やはりこれは見直していかなきゃいけないと思いますので、情報収集をされているということで、またこれから議論をするということでございますが、ぜひ見直しをしていくというような方向で議論をしていただきたい。また、出てくる勧告も、そういった方向での勧告になっていただきたいなと思っております。 最後に、私、知事というのは、これは政治家なのか、行政マンなのか、これよく県職員の方とも議論をしますが、政治家でもない、行政マンでもない、知事は知事だ、こういうふうにおっしゃった方がおります。私は、政治家としての知事ということは絶対にあると思います。 したがいまして、政治家としての手腕を今後ぜひ発揮してもらいたいなと。まあきょうの議論につきましては、ずっと聞いておりましても、ペーパーでの作文以外にもかなり知事自身の生の声が聞こえたような気はいたします。県の最高責任者として、「いのち輝く世界の郷とくしま」という基本目標をつくられました。私はこの基本目標は、行政としての基本目標としては、ちょっと、何といいますか、哲学的な、さっきから何度も哲学的という話がありましたが、哲学的なテーマであるなと思いましたが、やはり県の最高責任者としては県民に夢を与えていただきたい、そういった思いがありますし、夢発信という言葉がございます。そういったことで、私は、今後知事さんが県民に夢を与え、そして「いのち輝く世界の郷」が実現できるように、ぜひ頑張っていただきたいと思いまして、それを申し上げて最後に、私の質問を終わりたいと思います。 御清聴どうもありがとうございました。(拍手)   ──────────────────────── ○副議長(木内信恭君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。   ──────────────────────── ○副議長(木内信恭君) 本日は、これをもって散会いたします。      午後五時二十五分散会   ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━...